理論化学
化学講座 第45回:固体の溶解度(水和水あり)
CuSO4・5H2OはCuSO4とCuSO4をがなかだちして結びつけることでできている固体です。このように、結晶の中にを含んでいる固体を水和物といい、含まれているを結晶水と言います。
水和物を水に溶かす問題を考える場合、水和物の中に含まれている溶質と、(溶解後は溶媒に加えられる)を分けて考えなくてはいけません。
例えば、CuSO4・5H2O200(g)を水に溶かす場合を考えてみましょう。
CuSO4・5H2Oの式量は250ですね。このうちCuSO4は160、は18×5=90を占めています。
このことから、生じた水溶液を構成する溶質のCuSO4は、溶媒のは、もともとあった200(g)に、CuSO4・5H2Oに含まれるを合わせて、200+9=209(g)となります。
水和物としてよく出題されるものは、CuSO4・5H2O、、の3種類です。これらは、式量も覚えておきましょう。
例題を解いてみましょう。
温度T1(℃)でのCuSO4の溶解度をA、温度T2(℃)でのCuSO4の溶解度をB (<、A<Bとする。)
問題①:T1(℃)のCuSO4飽和水溶液200(g)を作るには、何(g)のCuSO4・5H2Oが必要か。
解答:まず溶解度の表を書きます。
(g)のCuSO4・5H2Oが必要であるとする。ここに含まれるCuSO4は(g)、は(g)である。また、作る飽和水溶液200(g)なので、水は200-(g)加える必要があります。
こうして表を書いてみると、溶質と溶液の所で比をとると良いことがわかりますね。
問題②:T2(℃)のCuSO4飽和水溶液200(g)をT1(℃)まで静かに冷却すると、何(g)のCuSO4・5H2Oが析出するか。
解答:まず溶解度の表を書きます。
(g)のCuSO4・5H2Oが析出するとする。ここに含まれるCuSO4は(g)、は(g)です。 もともと、CuSO4が(g)溶解しているとします。
問題③:T2(℃)のCuSO4飽和水溶液200(g)を濃縮して30(g)の水を蒸発させた。何(g)のCuSO4・5H2Oが析出するか。
解答:まず溶解度の表を書きます。
(g)のCuSO4・5H2Oが析出するとする。ここに含まれるCuSO4はg、はgですね。また、もともと、CuSO4が(g)溶解しているとします。
赤い四角に着目して、次の連立方程式を作り、これを解きます。
1)の赤い四角に着目して、・・・①
2)の赤い四角に着目して、・・・②
②より・・・②'
問題④:(g)のCuSO4をT2(℃)で水に溶かして200(g)にした。この溶液にあと何(g)のCuSO4・5H2Oを溶解することができるか。
解答④:まず溶解度の表を書きます。
(g)のCuSO4・5H2Oが溶解できるとします。ここに含まれるCuSO4は(g)、は(g)です。