チェコ国立マサリク大学

チェコ国立マサリク大学医学部は9月入学で卒業は6月なので、日本の医学部とは入学時期が半年ずれます。マサリク大学医学部に進学する方法は、2通りあります。

1つめは、高校卒業後1年目の10月からチェコに渡航し、マサリク大学が提供する入学前教育である医学部予備コースを1年間受講した後、医学部本コースに入学する方法です。この方法を選ぶと、最短で高校卒業後8年目にEUと日本の医師免許の両方を取得することができます。

2つめは、高卒1年目の4月に医学部本コースを受験し、9月に医学部本コースに入学する方法です。この方法を選ぶと、最短で高校卒業後7年目にEUと日本の医師免許の両方を取得することができますが、このコースを受験するためには理科3教科の知識、数学の知識とそれらを英語で表現する力を要求されます。

したがって、ほとんどの高校生は半年の予備コースを受講してから6年間の医学部本コースに入学します。

医学部本コースの卒業テストに合格すると、EUの医師免許を取得することができ、その後帰国して厚生労働省に国家試験受験資格の申請書類を提出し、日本語診療能力調査を経て、医師国家試験を受験します。これに合格すると、日本の医師免許が取得できます。

※以下のタイムスケジュールは、高校生が受験することを想定して書かれています。浪人生、大学生、社会人でも、各コースの審査を受け、合格すれば同じように入学することができます。

医学部予備コース(医学部予備コース:半年)

マサリク大学医学部予備コースへの入学審査は、12月から4月の間に日本で複数回実施されます。この審査に合格すると、10月からチェコ国立大学が実施する医学部予備コースに入学することができ、そこで、英語、理科、チェコ語など、医学部本コースでの学習に必要な基礎教育を受けます。

また、英語力に不安のある人は、医学部予備コース審査通過後に、マサリク大学において6週間の英語研修を受けることが可能です。(※審査の得点によっては、この研修を受ける必要が生じます。)

医学部予備コースは半年間行われ、10月入学であることから、卒業するのは高卒8年目となり、ストレートで日本の医学部に合格した人と2年のずれが生じます。しかし、浪人が当たり前な日本の医学部受験を考えれば、大きな遅れとは言えないでしょう。

医学部予備コース(医学部予備コース:半年)

医学部本コース

マサリク大学の医学部本コースに直接入学するコースです。英検準一級程度以上の英語力と理科3教科と数学を英語で理解する能力が必要であるなど、平均的な高校生より高い能力が要求されます。

本コースの審査は一次と二次があり、一次審査は高校3年生の12月から高卒1年目の4月までの間に複数回実施され、それに合格すると、高卒1年目の4月下旬の二次審査を受験することができます。

合格後は、6月上旬~7月下旬に日本で本コース生向けの入学準備講座が開催されます。これは、9月に入学を控えた学生を対象に、入学後の授業に必要な基礎学力を上げるため、渡航前に実施する夏期講習講座で、生物学、医化学、解剖学、生物物理学、医用言語、英会話などを学びます。

9月の入学の直前2週間では、マサリク大学でチェコ語予習講座が行われます。医学部1年生前期に学ぶ内容を集中的に学び、入学後の授業に備えます。

医学部本コース