2016年度 河合塾 第一回全統記述模試(化学)に向けて
※著作権の問題があるため、問題そのものは公開しておりません。あくまでも「勉強の指針」として活用してください。
はじめに
高校三年生、浪人生向けの河合塾の全国統一記述模試は、5月、9月、11月の計3回実施されます。範囲、内容ともに徐々に難易度が高くなって行き、11月の第三回記述模試ではかなりの難易度の問題も出題されます。
河合塾の模擬試験は、駿台や代ゼミの模試と比較して標準的な問題を多く出題することから、現在の実力を測るのにちょうどよいでしょう。ただ、標準的であるがゆえに、独特の出題形式をとる私立大学医学部の合格・不合格の判定には十分な精度があるとは言えません。国公立大学の判定には適しているでしょう。
ですから、私立大学受験者は、あくまでも、「現在の数学の実力」と「不得意分野」がわかるという程度の認識にしておくのが良いでしょう。高い偏差値をとることができた人も、そうでなかった人も、できなかった分野をしっかりと復習し、過去問が解けるように練習をすることが大切です。
模擬試験は入学試験と異なり、点数の差をつけたり、受験生をふるい落としたりする意図のものではありません。それぞれの時期に、どの程度まで理解していればよいかを判定する(受験生のために)ための試験です。
したがって、毎年、似たような出題、似たような問題のセットになりがちです。(特に、数学や理科)
そのため、ある程度、予想をして対策をすることができます。
しかし、繰り返しになりますが、模試はその時の実力を測定するものであって、点数を競うものではありません。この点を間違えてしまうと、誤った模試の受け方、誤った模試の見直しの仕方となってしまいます。
2015年度 河合塾 全統記述模試(化学)の出題
問題 | 出題内容 | |
---|---|---|
第一問 | 問1、2 | イオン結合、共有結合、金属結合について |
問3 | 分子の電子式、極性のある分子 | |
問4 | 配位結合 | |
問5 | 体心立方格子 | |
第二問 | 問1~3 | 酸と塩基、塩の性質 |
問4~7 | pHの計算 | |
第三問 | 問1~4 | 過マンガン酸滴定(過酸化水素―過マンガン酸カリウム) |
問5 | 過マンガン酸滴定(シュウ酸―過マンガン酸カリウム) | |
第四問 | 問1~8 | 分圧の法則 二気体の混合 燃焼後に生じた水の量 |
第一問
- 問1、2
- 結合に関する基本的な問題、教科書の文章をそのまま穴埋めにしたような問題で、特に難易度の高いものは含まれていない。
- 問3
- 水やアンモニアなど、簡単な分子の電子式が書けるか、代表的な極性分子を知っているかという問題で、教科書が理解できていれば解答できる。
- 問4
- オキソニウムイオンを題材として配位結合についての基本知識を問うている。
- 問5
- 体心立方格子の計算問題、配位数、含まれる原子数を答えさせ、結晶の密度を求めさせる問題、基本的といえる。
第二問
- 問1~3
- 酸と塩基、水に溶けたときに酸性を示す塩、塩基性を示す塩など、基本的な内容を問う問題。
- 問4~7
- pHと水素イオン濃度の変換ができるか。異なる濃度の水溶液を混合した時に生じる液体の濃度を求めることができるか、水のイオン積を用いて水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度を変換できるかを問う問題。
第三問
- 問1~4
- 過マンガン酸滴定の基本操作、滴定に使う器具の説明、過マンガン酸滴定で過酸化水素の濃度を求めることができるかを問う問題。
- 問5
- シュウ酸カルシウムを希硫酸でシュウ酸とし、生じたシュウ酸を過マンガン酸カリウムで滴定、その結果から、カルシウムイオンの物質量を求めるという、逆滴定を変形したような問題。
第四問
- 問1~8
- 反応しない二気体の混合で、圧力がどうなるか、二気体を反応させたのち生じる気体に含まれる水の状態、水蒸気の分圧について問う問題。
第一回記述模擬試験の対策として、どのような勉強をするべきか
新課程になって、化学は履修範囲が非常に広くなりました。それに伴って、第一回記述模試も出題範囲が広くなり、2015年度は気体の状態方程式や飽和蒸気圧の問題が出題されました。
しかし、ほぼ確実に出題される単元があります。それは、酸と塩基、酸化還元反応です。この単元は間違いなく出題されるでしょう。まったく手つかずの場合は、この単元から対策していくといいでしょう。その後、原子の構造、化学結合、結晶格子、気体の状態方程式、分圧の法則などをクリアしておけば、まずまず大丈夫でしょう。