生物の勉強法
私立大学医学部における生物の出題比と点数比は以下のようでした。
- 【出題比】知識問題:実験考察問題=8:2
- 【点数比】知識問題:実験考察問題=7:3
このデータから、出題比と点数比は総じて約3:1とみなせますから、この比率で知識の暗記と、実験考察問題の記述対策をしていけばいいのだろう、と思いたいのですが、実際は全く違います。
では、みなさんはどれくらいの比率で勉強をすればよいと思いますか?
ここで一つ強調したいのは、今皆さんの抱いている見当と私の理想とする比率とはおそらく大きく異なるということです。皆さんは、「実験考察問題の方が難しいのだから、実際には3:1の比率よりは大きなウエイトを実験問題に振らなければならないだろう」と考えているのではないでしょうか。
学習の配分は知識問題に大きく偏らせる
私の見当を述べましょう。勉強の比率は知識暗記:実験問題記述対策=99:1です。では、なぜここまでの比率の差が生まれてくる(あるいは私はこの比率が理想だと思っている)のでしょうか。それはそれぞれの出題方法の特徴に起因します。
出題方法と勉強方法
1. 知識問題
知識問題については先に述べましたが、知識があれば解けます。なければ解けません。したがって単にさまざまな知識を身に着けることに集中すればよいのですから、暗記すればよいわけです。暗記がすべて、暗記しなくては解けません。
ただ、ここで1つ注意しなければならないことがあります。それは生物は暗記が大事とはいえ、理系科目である以上、理論を理解しながら暗記することです。これはなぜか?次の実験考察問題のパートで理解されるものと思います。
2. 実験考察問題
まず、実験考察問題について対策をしていくうえで重要なことは、実験考察問題で問われているのは研ぎ澄まされたひらめきや聡明や考察力ではないということです。むしろ、問題文に書かれている実験操作と思考回路にのっとって考えていく柔軟さが肝要となります。
まず、高校生物範囲から出題される以上、理科系の単科大学などごく一部の大学を除いては、これまで受験生が勉強してきた事柄に関する実験操作しか出題されませんし、多くの場合その実験は資料集や教科書に登場します。
また、教科書や資料集というのはそれらの実験に関して考察まで行ってくれた状態で書籍化されているわけですから、その実験に関する大方の知識と見解は、書籍の該当ページを開くことで簡単に得ることができます。
つまりは、教科書や資料集を暗記することで、実験問題に対する柔軟性を養うことができるわけで、実験問題も結局は暗記すればよいということになります。
ただ、長い文章の記述形式で答案を書かされる以上、自分の知識を問題に即した形に変形する必要があります。そのため、最後のほんの少しの時間を記述の仕方のルールを学んだりすることに使えばよいわけです。