理論化学
化学講座 第35回:単体と化合物、純物質と混合物、分離と精製
今回は、物質の構成についてお話しします。
まず最初に、いくつかの単語について整理しておきましょう。
(1) 単体と化合物
物質には、H2やO2のように、1種類の元素からできている物質と、HClやCH3COOHのように2種類以上の元素からできている物質があります。
1種類の元素からできているH2やO2などのことを単体。2種類以上の元素からできているClやCH3COOHなどのことを化合物と言います。
一種類の元素からなる物質 ・・・単体
二種類以上の元素からなる物質・・・化合物
(2) 純物質と混合物
1種類の物質からできているものを純物質といいます。例えば、酸素や水や塩化水素は、それぞれO2のみ、H2Oのみ、HClのみでできていますから純物質です。
一方、2種類以上の物質からできるものを混合物といいます。例えば、空気や海水などがそうです。空気は窒素(N2)と酸素(O2)を中心として、様々な気体が混ざり合ったものですし、海水は水(H2O)と塩化ナトリウム(NaCl)など、様々な物質が混ざり合ったものです。
ところで、塩酸や希硫酸、濃硫酸などには注意しましょう。塩酸は、純物質でしょうか。混合物でしょうか。ちょっと迷ってしまいますが、塩酸は塩化水素の水溶液です。水溶液という事は、水に溶質が混ざったものですから、混合物です。注意しないと、うっかり間違えてしまいます。希硫酸や濃硫酸も同じですね。
これは、薄い、濃いという概念があるのですから、水溶液と考えられます。したがって、純物質ではなく混合物です。