18歳人口は2018年から再び減少をはじめ、2025年ごろには107万人になると言われています。2017年には120万人ですから1割が減ることになります。

単純に考えれば、受験者数が減少するのですから、医学部受験は倍率が低下して簡単になると考えられますが、実際はそうならず、あるいは難化するのではないかと思います。

その理由は、少子高齢化による財政問題と高齢者医療の需要の増大です。医療・介護費は年々増加しています、しかし、少子化による生産力の低下が進めば、これを賄うことができなくなるでしょう。これに対処する方法の1つとして、医療の輸出とインバウンド・アウトバウンド医療があります。これらは厚生労働省、経済産業省がそれぞれ推進しており、すでに複数の事例があります。

高齢者医療は機能回復より機能維持を目的とする慢性医療で、高度な医療ではなく、むしろ地域のかかりつけ医のような存在が必要とされます。

このように医師に要求される能力が細分化されてゆき、それに伴って募集枠も細分化されていくと考えられます。2017年度の国際医療福祉大学、2016年の東北医科薬科大学の募集開始はこれを象徴しているように思います。

募集枠の細分化は偏差値の高騰を招く可能性もあるでしょう。これからの医学部受験生には、18歳人口の増減とは全く関係なく、より高い学力が必要とされるようになるかもしれません。