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昭和大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 選抜Ⅰ期1日目
政府は2017年に働き方改革実現会議を開き、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画をまとめた。総務省の調査によると過労死ラインとされる月80時間を超えて残業する人の割合は医師では41.8%となっている。医師には医師法で定められた診療を求められたら拒めない「応召義務」があるが、医師の長時間労働を改善するにはどうしたらよいか、自分の考えを600字以内で述べる。
選抜Ⅰ期2日目
ドイツに生まれた社会心理学、精神分析、哲学の研究者として知られているエーリッヒ・フロムは、著作『愛するということ』のなかで、愛は技術であるとし、愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことで、自分が愛せば相手の心にも愛が生まれるであろうという希望に自分を全面的にゆだねることだと問題提起している。この内容を解釈し、「愛するという技術」について、自分の考えを600字以内で述べる。
選抜Ⅱ期
医療の技術革新の一方でコスト上昇により、国民皆保険の維持が困難になっている。高度医療とコスト負担のあり方について、自分の考えを600字以内で述べる。
2017年 選抜Ⅰ期1日目
提示されたフランスの思想家ロジェ・カイヨワの「遊びの特徴」に関する言葉を読んだうえで、労働や芸術と比較した「遊びの特徴」とはどのようなものか、自分の考えを600字以内で述べる。
選抜Ⅰ期2日目
AIが著しく進歩しているが、様々な懸念もある。医療において、人間とAIはどのように共存すべきか、自分の考えを600字以内で述べる。
選抜Ⅱ期
ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智教授は、熱帯病の特効薬を開発して大勢の命を救った。しかし、10億人はいるとみられる様々な熱帯病の感染者の制圧が容易ではない理由と自分の考えを600字以内で述べる。
2016年 選抜Ⅰ期1日目
急性期医療において「とことん型」と「まあまあ型」という2つの考え方があるが、この2つの医療を必要とする人はどのような人で、どのような課題があるか、自分の考えを600字以内で述べる。
選抜Ⅰ期2日目
平成27年6月の公職選挙法一部改正により選挙権の年齢が18歳以上に引き下げられたことについて、自分の考えを600字以内で述べる。
選抜Ⅱ期
地球温暖化によって、世界の気温が3℃上昇した場合に予想される、生活・健康への影響について、自分の考えを600字以内で述べる。

分析

テーマ型での出題である。例年、長めのテーマが出題されているが、指定が明示されていることが多いため、論じる方向性は定めやすいと言える。内容は医療問題だけでなく、社会問題や地球環境問題など多岐にわたっている。選抜Ⅰ期も選抜Ⅱ期も同じ形式のテーマ型で字数も変わりないが、選抜Ⅰ期の場合、1日目か2日目のいずれかで医療と関係する話題が出題されている。

2018年選抜Ⅰ期1日目は、働き方改革による長時間労働の是正と過労死ラインの残業時間を超過して勤務する医師が多いこと、また医師には医師法で定められた「応召義務」があることに触れ、医師の長時間労働の改善策を述べるものであった。医師の「応召義務」については、近年話題となっており、医師の長時間勤務と切り離すことのできないものである。日本医師会のホームページでも「応召義務」についての見解が掲載されているので参考にするとよいだろう。2日目は、「愛するという技術」について自分の考えを述べるというもので、1日目とはまったく異なるテーマであった。選抜Ⅱ期は選抜Ⅰ期1日目と同様、現代日本の医療にある問題が取り上げられている。高度医療とコスト負担のあり方に国民皆保険を絡めて考えなければならない。

2017年選抜Ⅰ期1日目は、「労働や芸術と比較した『遊びの特徴』」について論じるもの、2日目は医療における人間とAIの共存について論じるものであった。テーマとともに提示されている設問文に指定があるので、指定を落とさずに自分の考えを明確に伝える力、社会への関心度などが見られている。選抜Ⅱ期は熱帯病の特効薬が開発されたがその制圧が容易ではない理由を考え、自分の考えを述べるものであった。

2016年選抜Ⅰ期1日目は、国が提唱する、病気が完治しなくても地域での生活ができるようにすることを目指す「まあまあ型」の医療について出題されたことから、基本的な医療用語や、話題となっている医療問題については必ず押さえておく必要があるだろう。2日目は選挙権が18歳以上に引き下げられることへの考えを論じるもの、選抜Ⅱ期は地球温暖化による気温上昇が生活・健康に及ぼす影響について論じるものであった。

昭和大学は2012年に、ジュネーブ宣言と昭和大学の理念に基づいた「昭和大学宣言」を定め、医療人としての人類への貢献や全力で医療を実践すること、向上心を持ち、師への感謝や尊敬、仲間への敬愛、そして大学の伝統を重んじることなどを定めた。小論文を通して、大学が求めている学生像や力を入れていることに合致した素質が受験生にあるかどうかを見ていることを念頭に置いておくとよいだろう。

対策

話題となっている医療テーマは必ず押さえるとともに、基本的な医療用語については理解し、用語を覚える際には、その用語にまつわる問題点や課題なども考えるようにしておくとよい。

たとえば、「チーム医療」について覚えたなら、チーム医療に関わっているのは医師や看護士だけでなく、管理栄養士や薬剤師、ソーシャルワーカー、他の病院など様々であるということを踏まえ、それぞれと連携を取る際にどのような問題が生じうるか考えてみるのである。

また、医療以外の分野についても話題となっているものは出題されやすいということを念頭に置き、現代社会や政治経済の基本用語だけでなく、倫理分野、科学技術分野などの基本用語も把握し、現在話題となっている社会的問題などについて押さえておこう。そして、それらの問題についても自分の考えを構築しておくとよい。日頃から様々なことに関心を示すようにしておこう。

テーマと設問文が長めであるので、論じるべき点を外してはならない。テーマに対して自分の考えを述べる際に設問文で指定されていることをしっかりと押さえ、設問文に即した形で論じる練習をしておくことも必要である。

序論・本論・結論という流れを意識し、構成を組立ててから文章を書く練習を行う。まずはしっかりとした構成メモを作成できるようにする。そして、メモを元にして設問指定に従った流れでまとめていく練習を繰り返そう。設問文の条件の見落としは決して行ってはならないので、注意する。指定を落として論じる傾向がある場合は、設問文中にある条件に印をつけるようにしよう。

傾向でも述べたが、大学側が求める学生像が明確であるので、その学生像に合った視点で考えることができているかを確認する作業をこまめに行うようにするとよい。

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