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川崎医科大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 山海嘉之『革新的ロボット治療を創る』(井村裕夫編『医と人間』所収)
問1:下線部(1)の「近い将来に直面する課題」とはどのようなものか、200字以内で述べる。
問2:下線部(2)の、科学技術に携わる者は今後の未来社会に対してどうなったらよいかを常にイメージしておくことが大切だと思うということについて、自分はどのような「未来社会」になったらよいと思うか、自分の考えを600字以内で述べる。
2017年 井村裕夫『健康長寿のための医学』
問1:下線部内容(健康長寿社会)とはどういうものか、200字以内で述べる。
問2:下線部内容について、自分の考えを600字以内で述べる。
2016年 久道茂『医学・医療の品格』
問1:下線部内容(混合診療)とはどういうものか、200字以内で述べる。
問2:下線部内容について、自分の考えを600字以内で述べる。

分析

課題文型での出題である。課題文の字数は約1000字~約1500字で字数は少ないが、問1と問2で合計800字以内の文章を作成しなければならないので、時間配分には注意が必要である。

医療系の文章が続けて出題されており、語彙レベルがやや高いものもある。注釈がないため文章理解に語彙力が影響しかねないので注意が必要である。医療用語の説明を求める問題が出題されることがあるのも特徴的である。ただし、これは用語の単なる説明ではない。200字という指定があることから、文脈を踏まえてまとめる必要があることがわかる。しかし、文章中に手掛かりはあるものの明確に示されているわけではなくわずかしかないこともあり、医療用語の意味を押さえて文脈から正しく推測する必要がある。

2018年はサイバニクス技術を生活環境に展開する試みについての文章が出題された。問1は2015年と2017年の医療用語についての説明と異なり文脈を踏まえて、筆者が考えている「近い将来に直面する課題」について説明させるものであった。この答えは引用文中では明確には示されていない。文章中の手掛かりを見抜いてその部分を元に正確に推測してまとめていかねばならない。2017年の問1では「健康長寿社会」について問われた。文章中の手掛かりをもとにまとめる。また、2017年は「先制医療」「ライフコース・ヘルスケア」といった言葉も出てきた。「先制医療」とは、「個人の遺伝子、代謝産物、タンパク質、mRNA、画像などのバイオマーカーを用いて、将来かかりやすい病気を発症前に診断・予測し、発症を未然に防ぐ予防医療のことである。これにより実現されるのが「ライフコース・ヘルスケア」、つまり「生涯にわたる健康管理」である。「先制医療」については、今後他大学でも出題される可能性があるので覚えておくとよい。2016年の問1では「医師の専門技術者としての誇りと品格」について説明するというものが出題された。問1は年度により内容に差がある。

問2の600字の小論文は、本文の一部に下線を引き、その内容をまとめるものやその内容についての考えを述べるものとなっており、正確な読解力と思考力、表現力が求められる。また、下線部付近だけでなく全体内容を踏まえたうえで自分の考えを論じる力も当然必要である。これは、医師が患者を診察する際に、症状だけでなく患者が置かれている環境や精神状態など様々な要素を総合的に把握する力と関係していると言えるだろう。

また、問われる内容は医療に携わる者として意識すべき事柄や医師としての在り方などが多いことからも、医師としての素養の有無を見ていると考えられる。 なお、現在の小問2問構成が続くようになったのは2015年からである。

対策

医療系の文章での出題が多いので、医療用語は押さえておくべきである。意味と内容を押さえ、それぞれについて自分の考えを明らかにしておくとともに問題点についても考えるようにしよう。たとえば、「医療崩壊」であるなら、その原因と対策や医師の立場でできることなどを考えてみるとよい。

話題となっている医療分野についての情報をニュースなどで押さえることも不可欠である。ただし、過去には社会的なテーマの文章や、課題文のないテーマ型の出題があったことも踏まえ、いずれの型にも対応できるようにしておくとよい。

日頃から、新聞やニュース、もしくは、重大ニュースをまとめた書籍や時事ニュース一覧などを定期的に確認して、様々なテーマに対応できるようにしておこう。今自分が生活している社会で生じている問題や話題になっている事柄を押さえながら、それらの問題や話題が自分とどう関係しているのか、自分にどのような影響を及ぼすのかについて考え、自分には何ができるのかといったことまで考えるようにする。

600字という指定であるので、自分の考えを明確にしてから考えの根拠を示して論じる練習をしておく。簡潔にまとめる練習から始め、一定量の文章を書きあげる練習をしておくのがよい。構成メモをもとに、序論・本論・結論という流れを意識し、論理展開の明快な文章を書く練習をしておくべきである。序論に結論を示す頭括型か序論と結論の両方で結論を示す双括型にして書き進めると、自分の言いたいことを明確にするとともに核となる部分を意識しやすくなり、論理矛盾のない文章を書きやすくなる。

同じ字数で、課題文型の獨協医科大学の過去問を活用して練習してみるのもよいだろう。

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