名古屋大学医学部医学科 大吉 秀和君

私は2012年に名古屋大学医学部へ入学しました。元々は理三志望でしたが浪人などを経て最終的に地元の名古屋大学へ進むことを決めました。名古屋大学はとても良い環境が整っており、志望校を変えたことで後悔していることは何一つありません。私の合格体験記が受験生の方々にとって医学部への合格の足掛かりとなればと思い、重視するべきポイントを書いていこうと思います。

まず読者の方が現在おかれている状況が人によってそれぞれ違うと思う。高校であれば生徒の受験意識の高さ、授業のレベルなどは学校により違うであろう。医学部への合格者を多数出す高校であればよいが、そうでないならば周りの雰囲気に流されてはいけない。私の出身高校は、最近はレベルが上がってきたと聞くが、当時は医学部などの難関校を目指す雰囲気があるようには私には映らなかった。私は高校二年生になるタイミングで医学部へ行くことを決めた。それからは必要だと思う授業以外では休み時間や通学時間なども含めてほとんど自分で決めた勉強をしていた。クラスメートの目が気になる人は多いと思うが、医学部を目指すのであればそれ程の覚悟をして欲しい。国公立・私立を問わず医学部に入るのはとても難しく、高校の同級生を始めとして挫折した人を何人も見てきています。

決死の覚悟で勉強すると決めたらまず初めにすることは勉強方法を知ることです。やる気が出たならすぐに勉強始めた方がいいんじゃない?と思うかもしれませんが、これはこれからの勉強効率を上げるために必要なのです。目的地に行くために地図を見ずに行く人はいませんよね。まず地図を入手してそれから歩き出すのと同じで、先に勉強方法を知ってから勉強を始めようということです。最終的には人によって勉強方法はまちまちにはなりますが、その大枠は皆同じように感じます。どう調べるかと言えば今皆さんが読んでいる合格体験記を参考にしてもいいし、本屋でそのような書籍を探す、近くに信頼できる人がいればその人に聞くというのも良いと思います。勉強方法が大まかに定まったら勉強をする中で自分に合う形に微調整していきましょう。

ここから私の具体的な勉強方法などを紹介していきます。まず初めに年単位の計画を立てました。私は高校二年生の初めに計画を立てたので、まず大まかに高校二年生の一学期、夏休み、二学期から三学期というように三つに区切りました。夏休みは学校がある時に比べ自分の学習時間が非常に多く確保でき、二学期と三学期でそれまでの計画の微調整を行うためにクッションを置いた形です。往々にして計画を立てても遅れるものなので、ある程度後々に調整できるような計画を初めから立てた方がいいと思います。

そして私は一学期に英語と数学のみ、夏休みで物理、二学期以降で化学というように計画を立てました。全ての科目を並行して行わないことに驚きを覚える人もいるとは思いますが、圧倒的に分けて勉強した方が効率がよいと思います。というのも一つの科目内で学ぶことは、違う分野であっても密接な関係があるものが多いので短期間に仕上げた方が頭に残るからです。そして英語に関しては文章の慣れやリスニングはすぐに身につくものではないが一度身に着けてしまえば力が落ちにくく、数学や物理も暗記の色が強い科目ではないためこのような順番に勉強しました。一教科ずつやると言いましたが先生によっては授業中に他の科目をやっていると注意されることもしばしばあったため、そのような時は行っている授業の科目の内職をしていていました。なので古文単語や漢文の句法なども高校二年生のうちに自然と覚えていきました。

高校二年生は全国的に受験勉強を始めている人が少ないせいか偏差値が上がりやすく、英語は英単語を覚えるだけでも劇的に上がりました。数学は理解できてから解けるようになるまでのステップが遠いせいか、勉強し始めてから数ヶ月してやっと成果が表れてきました。物理は人によって相性はあるのかもしれないが、数学のように捻った問題が作りにくくすぐに成績に直結する。化学も比較的すぐに成績に反映されやすいと思う。化学は大まかに言えば計算主体の理論分野と暗記主体の無機・有機分野から構成されているが、暗記分野を先にやっても忘れやすいため理論分野から勉強するのを勧めます。

一年間も勉強をしていれば自分が弱い分野、次にどのようなことをするべきか自然に課題が次から次に見えてくるのではないでしょうか。例えば英語は長文までできるようになったら英作文などにも着手するべきだし、数学も基礎が身に着いたら難易度を上げた問題を解かなければ戦えない。高校三年生の一年間はここまで実行できた人であれば自分に適切な計画を立てられると思うので、この方法が絶対にいい!と言うことはできないのではないかと思います。ただしセンター試験の勉強はどれだけ遅くても12月中旬には始めていないと間に合わないので、二次試験対策を可能な限り引っ張りたい人は参考にして下さい。