大学への数学 数学を決める論証問題
- 出版社
- 東京出版
- 種類
- 参考書・教科書調
- 著者
- 栗田哲也
- 難易度
- 入試基本問題~入試発展問題
書評
難易度の高い問題を解くときに必要な数学的論理性を身に付けるための本。第3部には一部、内容が高度すぎる問題が入っているが、難関大学を受験するなら、第1部、第2部は一通りやっておきたい。それだけでも難易度の高い問題を解くときの切り口を見つける力や解答を読む力が飛躍的に伸びるだろう。
この本に取り組むには、「1対1対応の演習」や「標準問題精講」が終わっている程度の実力が必要。ただし、リテラシーの高い人や数学が好きな人は教科書を一通り終えたところで読んでもいいかもしれない。数学IAIIBが中心なので、高校2年生でも読もうと思えば読むことができる。
高校2年生の早い段階で数学IAIIBが終わってしまうような学校に通っているなら、IAIIBの講義が一通り終割った頃に第1部と第2部を読んでみると良い。
この本を読むとき、一回目は余り細かいところまでこだわりすぎず、高級な解法に接する、という程度の気持ちでのぞむのが良いと思う。
二回、三回と読み返していくうちにだんだん頭が考え方に慣れてくるし、その間にやった問題を通じて、使い方が分かっていくものである。
問題はやや難しい。解説は大学への数学としては親切だが、読んでいて壁を感じることも多いと思うので、この本をやるときも、誰か質問をする相手が近くにいた方がいいだろう。あるいは同レベルの友人と一緒にやってもいいかもしれない。
目次
第1部インフラアップ
- 論理用語の確認 ①条件と命題 ②p⇒qの形の命題 ③オールとサム
- いろいろな論法 ①背理法 ②対偶法 ③数学的帰納法 ④重要な同値変形 ⑤レッドカード級欠陥論法
第2部論理の運用
①言い換えの同値性 ②オールとサムの話 ③数学的帰納法 ④最大最小と論理 ⑤場合分け、場合の数
第3部入試問題演習
- 論証問題のための手筋集 ①背理法のコツ ②条件の調整 ③極端な場合を考えよ ④条件を視覚化せよ ⑤部屋割り論法 ⑥中間値の定理 ⑦普遍量で区別せよ ⑧推理、ゲーム
- 技を磨くための演習問題