数学I・A/II・B/III 基礎問題精講
- 出版社
- 旺文社
- 種類
- 問題集・教科書調
- 著者
- 上園信武
- 難易度
- 教科書練習問題~教科書章末問題+α
書評
教科書事項を一通り学んだあとに取り組むのに適している。「白チャート」よりやや高めの難易度の問題から始まり、教科書の章末問題よりやや難しい程度の問題までをカバーする。問題数は「白チャート」の半分~三分の一程度で、問題文の後に解説に相当する「精講」と模範解答に当たる「解答」が書かれている。
「精講」は、学生が引っかかりやすいところを丁寧に書いてあり、教科書事項が理解できていれば、この「精講」を頼りに一人でやっていくのも難しくない。
ただし、数学の全体像が分かっていないひとがこの問題集を使って全範囲を理解しよう、というのは無理がある。精講は確かに詳しいが、全体が体系化されるようなものではない。数学が全然できないのであれば、「高校、これでわかる数学」のような参考書や「初めから始める数学シリーズ」、「坂田アキラの数学がおもしろいほどわかる/とける本」などの講義集を使って骨格を固めながら、足りない問題数を補うためにこの本を使うと良いだろう。
教科書レベルを確実にして、本格的な受験勉強に取り組む前に基礎力完成をする目的で用いる。白チャートより問題数が少ないため、より短い時間で終わらせることができる。他教科の勉強が忙しい、部活が忙しいなど、十分な学習時間を数学に振り向けられない人に勧めることができる。「白チャート」と同様、適当な傍用問題集がくばられており、かつ、解説が与えられるか、適切な指導がある場合はやらなくてもよい。
本書は教科書レベルが中心なので、本格的な受験勉強に入る準備として、この本の後に「チェック&リピート」か「チョイス数学演習」をやると良い。