ここからは光合成の詳細な反応過程を記していきます。こと細かにつらつらと書くだけでは全く理解されませんから、過程それぞれを一言で表し、かつイメージを膨らませていきます。

まず、チラコイドでの反応についてです。これは5つの過程からなります。

①太陽光発電

光合成の最初の過程は太陽光発電に例えられます。この発電作業は光化学反応と呼ばれ、光化学系IIで行われます。これはチラコイドの膜に埋め込まれています。光化学反応の目的は「太陽の光のエネルギーを電子(e-)の化学エネルギーに変えること」です。つまりは太陽光発電です。イメージとして光化学系IIはちょうどソーラーパネルのように、太陽の光のエネルギーを吸収して電気を作るといった具合です。

光化学反応(=太陽光発電):光化学系II=ソーラーパネル
光→電気

②送電

光化学系IIに続く過程は電子伝達系と呼ばれ、名の通り電子を運びます。光化学系IIで作られた電子は電子伝達系を伝わり光化学系Iという機械に送り届けられます。電子伝達系は電線に例えることができます。なぜならソーラーパネルで発電した電気が電線を通して機械へ送り込まれるのに似ているからです。

電子伝達系=電線
光化学系Iへ電気を届ける

③燃料1(NADPH)の生産

電子伝達系の説明のところで光化学系Iは機械に例えられることをさらっと書いてしまいましたから、ここではその理由について説明します。光化学系Iは電子伝達系から送られてきた電子を使ってNADP+からNADPHを作ります。NADPHはストロマでの反応において燃料として使われますから、光化学系Iが電線からの電気を使って燃料を作る機械に例えられるわけです。前章で説明した「2種類の特殊な燃料」の1つがこのNADPHなのです。ところで、ストロマでの反応は電気を使って起こせばよいのではないか?と思われた方もいるかと思います。しかしストロマでの反応はやっかいなことに、その2種類の燃料しか受け付けないのです。ですから電気を使って燃料を(=電子を使ってNADPHを)作る必要があるのです。

光化学系I:

④水の分解

さて、③の過程までは光化学系II→電子伝達系→光化学系Iという流れがありましたが、その次の反応はまた光化学系IIに戻ります。

光科学系2:ソーラーパネル 熱いから水蒸発→水分解
電子伝達系:電線
光科学系1:ものをつくる機械
ATP合成酵素:水車