岡野の化学が初歩からしっかり身につく【理論化学②+有機化学②】
- 出版社
- 技術評論社
- 種類
- 参考書、講義調
- 著者
- 岡野雅司
- 難易度
- 教科書例題~入試基本レベル(センター試験レベル:偏差値50後半)
318ページ・25問
書評
化学の超初心者が教科書からセンター試験レベルまでの知識を一通り学んで、化学の考え方や基礎知識などの「骨格」を作るための本。基本的な内容が多いが、重要かつ基本的な内容を丁寧に解説しているため、このシリーズを通読すると、化学の全体像が見えてくるはず。先取り学習をしたい人、社会人になってやり直したい人、授業に完全に置いてきぼりをくらってしまった人が手にするのに適している。類書に、「亀田和久の理論化学/有機化学が面白いほどわかる本」・「橋爪の是理から劇的!にわかる理論化学の授業」がある。
内容を補うためには、教科書を通読する、「らくらくマスター」や「化学レベル別問題集①、②」などを傍用問題集として解く、などが考えられる。この次のステップは「照井式解法カード」+「セミナー化学」だが、少しギャップがあるので、次のステップに進む前に、教科書程度は読んでおきたい。
理論化学②では少し高度な内容が取り扱われており、理論化学①で出てこなかった結晶水を持つ固体の溶解度や二段滴定が出題されている。また、現役生や化学が不得意な人にとって穴になりやすい(そこまで行き着かない)分野の、糖、たんぱく質、アミノ酸などの分野も丁寧に解説されている。特に他の分野の知識が必要なわけではなく、医学部では良く出題される分野なので、早めに読んでおくといいだろう。
しかし結局、理論化学②でも酸化還元滴定は解説されなかった。
到達レベルはセンター試験レベル、私立大学医学部なら中堅校で50%程度が到達ラインと予想される。
医学部に合格する人なら、何も見なくてもすらすら出てこなければいけない重要事項なので、早くこのステージをクリアして次のステージに進みたい。ただし、化学が苦手であるとか、1からやり直さなければいけない人は何度も繰り返して復習する事。化学の「骨格」なので、揺らぎがなくなるまでやることが大切。
目次
- ①化学平衡・活性化エネルギー
- ②反応速度・平衡定数
- ③電離定数・緩衝液
- ④塩の加水分解・溶解度積
- ⑤二段中和・物質の三態・理想気体と実在気体・応用的な固体の溶解度と浸透圧
- ⑥合成高分子化合物
- ⑦糖類
- ⑧アミノ酸・たんぱく質
- ⑨イオン交換樹脂・核酸