
長野県の北部に位置する飯山市は、人口約2万2千人が暮らす北信医療圏域内の自治体の1つです。この医療圏は、飯山市・中野市・山ノ内町・木島平村・野沢温泉村・栄村の2市1町3村から構成され、そこに住む約8万8千900人の救急医療を、飯山赤十字病院(飯山市/284床)とJA厚生連北信総合病院(中野市/401床)の2病院が分担し、地域住民の生命を守っています。
「日本一の長寿県」と言われる長野県の中で、飯山市は豪雪地帯であるとともに山間地域も多く高齢者世帯の中には1人では病院を受診できない人もあり、そうした人々への医療の提供も欠かすことが出来ません。
一方で斑尾高原や戸狩温泉、野沢温泉などの著名な観光地を有し、年間を通じて外国人を含む多くの観光客が訪れることから、こうした観光客への医療提供も適切に行わなければなりません。中には、スキー中の事故での脳への外傷など、治療が遅れると命にかかわるような患者もみられます。
このようなことから、飯山赤十字病院は、日常の診療や訪問診療はもちろん、救急医療、脳神経外科、小児科、産婦人科などの多岐にわたる医療を広域に提供する地域の中核医療機関として大変重要な役割を担っております。
飯山市では、この飯山赤十字病院をともに守り、発展させてくれる若者(医師)に来ていただき、この地域の医療体制を支えて欲しいという思いから、医学生に奨学金を貸与する制度(医師招へい推進事業)をはじめました。対象は全国の医学生とし、月額30万円の奨学金を最大6年間支給します。返済免除要件は、卒業後6年以内に飯山赤十字病院に医師として着任し、奨学金を貸与された期間と同じ期間従事していただくことです。
従来は卒業後3年以内に飯山赤十字病院に従事することとしていましたが、初期臨床研修を終え、後期研修まで行って専門医を取得し、しっかりとした実力をつけてほしいという思いから、着任していただくまでの期間を6年に延長しました。また、初期臨床研修や後期研修を行う病院・機関は特に指定を設けておりませんので、思う存分実力を養い、飯山でその力を発揮していただければと思います。
飯山市は北陸新幹線飯山駅の開業により東京まで1時間41分、金沢まで1時間15分で結ばれ首都圏や北陸圏とのアクセスが飛躍的に向上しました。この地域の魅力であります自然や温泉といった観光資源を活かし、また、この地域の経済活性化や交流人口の拡大にも大いに役立つものと期待しています。
道路や鉄道といったインフラの整備は非常に重要ですが、医療の充実もそれらと同等に重要であり、地域の基盤であり、人々が暮らすうえで欠かすことのできない大切なものです。そうした基盤を我々と、ともに支えてくださる、志のある若者を全力で支援したいと思っています。

長野県 飯山市長
足立 正則
【生年月日】
昭和26年4月16日
【学歴】
昭和45年3月 長野高等学校卒業
昭和51年3月 東京工業大学工学部卒業
【職歴】
昭和53年4月 飯山市役所勤務
平成13年4月 飯山市総務部情報政策室長
平成15年4月 飯山市民生部長
平成18年4月 飯山市総務部長
平成19年3月19日 飯山市役所退職
平成19年3月20日 飯山市助役就任
平成22年7月27日 飯山市副市長退任
平成22年9月15日 飯山市長就任
平成26年9月15日 飯山市長再任