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合格体験記 東京大学教養学部理科一類 太田智樹君②

受験勉強の中で紆余曲折は数多くあったものの、その中で培った勉強法と使用した参考書や問題集を紹介します。個人に応じて勉強法などは多種多様だと思いますので、参考程度に留めていただけると嬉しいです。私からは無理に押し付けるつもりはありません。何よりも大切なことは「自分で考え行動する」ことです。正しい道は一つではありません。ちなみに学習塾・予備校は英語のみ週1で利用していて、基本的には学校の授業を中心に据えていました。

勉強の基本姿勢

・完璧主義にならず大胆に!
・できないことをとにかく潰してできるようにする!
・順調→挫折→不調のサイクルを作るように勉強する!
・いろんな問題集に目移りしない!
・問題集は最低2周する!
・必ず時間を測って解く!

Ⅰ.英語

最重要科目にして最大の得点源です。英語の勉強の中心は音読であり、スラスラ音読ができなければスラスラ黙読できるはずがありません。広い目で見れば、音読は、文章を目で見て声に発して、その声を自分の耳で聴くという過程です。

五感をフル活用させることで脳も活性化しやすく、リーディング能力だけでなくリスニング能力やスピーキング能力も同時に鍛えられます。また、音読する中で文章を理解していくことが大切です。

日本語を介さずに、英語を英語のまま理解することが最終目標です。その為には、読みながら英語の語順に沿って意味を捉えていかなければなりません。そして、音読する文章は、既にある程度内容を知っている文章に限定しましょう。

音読は、英語の復習で威力を発揮します。日本語と英語では語順に大きな違いがあるので、大変だとは思いますが健闘しましょう。そして、長文演習する中で語彙も増やしましょう。単語帳を通じて単語を覚えることも大切ですが、長文を読解する中で単語を覚えていくことも同じくらい大切です

また、「大方の文章は難なくスラスラ読めるけれども、設問に答えられない…」という悩みを抱えている人も少なくないはずです。全くおかしいことではありません。読解力も鍛えつつ、文脈把握能力も同時に鍛えていかなければなりません。だからこそ、ただ長文を読むだけに留まらずに、問題もしっかり解きましょう。

長文問題演習を通じて読解力だけでなく解答力(≒文脈把握能力)も同時に鍛えましょう。特に、抽象的な内容を扱った文章の場合は、読みにくいことが殆どだとは思いますが、その際は速く読むことよりも丁寧に文脈を追っていくことを優先させましょう。

そして、自由英作文であれ和文英訳であれ、ライティングに関しては必ず先生に添削していただきましょう。ミスしたところを逐一まとめていくのも効果的です。自由英作文であれば、常識の範囲内で内容に大きな矛盾が無い限りは、表記の勝負となります。文脈に応じた最適な単語や慣用句の選択、適切な文法、などなど一口に言ってもあまりに漠然としているので、自分がミスした箇所をまとめながら、自分に不足している箇所を逐一補っていきましょう。

参考書:
鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁
スクランブル英文法・語法(学校配布)
問題集:
2度聴き精聴トレーニング(学校配布)(高3 6月~8月)
基礎英語長文問題精講(学校配布)(高2)
灘高キムタツの東大英語リスニング(高3 8月~2月)
東大の英語25カ年(高3 11月~2月)

Ⅱ.数学

まずは、基礎・標準レベルの典型問題の解法を理解して体に染み込ませます入試問題の「基礎・標準レベル」であることを忘れないでください。決して教科書レベルではありません。数学という学問自体が暗記かどうかは別の話ですが、少なくとも受験数学は暗記が大部分です。公式・定理などの理解や暗記は前提ですが、典型問題の解法に関しても理解して暗記するべきです。

また、数学の問題を復習する際には、きちんと解き直すことが大事ですが、時間に余裕が無く解き直せないこともあるでしょう。その時には、計算はしなくてよいので、その問題の考え方の道筋を自分で説明してみましょう。そうすることで、その問題に於いてどんな考え方が大事なのか、が自ずと分かるだろうと思います。

数学の問題を解いていてもつまずくことは多々あるでしょうが、数学の問題の解説を読んでいてもつまずくことはありますよね(笑)。解説の説明が不十分ということはよくあります。そんな時は自分で説明を補いましょう。そのために筆記用具を持つのです。説明を補っておけば、言葉に起こすことで記憶に定着しやすくなりますし、後で見直した時にすぐ理解できるはずです。

参考書:
なし
問題集:
クリアー数学演習ⅠAⅡB(学校配布・高2)
スタンダード数学演習ⅠAⅡB(学校配布・高3 4月~9月)
クリアー数学演習ⅢC(学校配布・高3 4月~9月)
理系数学(高3 9月~11月)
東大の理系数学25カ年(高3 11月~2月)
東京大学への数学 実践模試演習(高3 2月)
入試攻略問題集 東京大学 数学(高3 2月)

Ⅲ.国語

まず、古典(=古文+漢文)の勉強法です。前提として古典文法・古文単語・漢文句法の知識は必要です。古文常識は二の次です。これらが分かっていないと、正確な和訳ができません。そして、現代文と同じ感覚で読まない方が安全です。もちろん日本語の感覚も忘れないで欲しいのですが、一種の外国語だと思って取り組みましょう。つまり、古典の勉強法は英語の勉強法と非常に近いのです。

「音読をしながら意味をとっていく⇒古典を古典のまま理解できる」「単語帳で単語を覚えることも大切だが、演習の中で単語を覚えていくことも同じくらい大切」「読解力と文章把握能力は別物」などなど…。記述式問題(和訳・内容説明・心情説明)は必ず添削していただきましょう。そして、どんな文章であっても物怖じしないだけの実力をつけていきましょう。

続いて、現代文の勉強法です。現代文に関しては決定的な勉強法が無い唯一の科目で、こればかりは適切なアドバイスを与えるのが非常に難しいのですが、僕の意見としては、過去問対策をするのが近道じゃないかなと思います。もし過去問に取り組むのであれば、記述式問題は必ず添削していただきましょう。

参考書:
読んで見て覚える重要古文単語315(学校配布)
新明説漢文(学校配布)
問題集:
東大の国語25カ年(高3 11月~2月)
学入試センター試験 過去問レビュー 国語(高3 12月~1月)
大学入試センター試験 実践問題集 国語(高3 1月)

Ⅳ.理科(物理・化学)

物理・化学に限った話になります。ご容赦ください。

物理・化学の勉強法は殆ど数学の勉強法と同じです。まずは典型解法の習得に努め、復習では考え方を追うことに努め、解説を読む際には必ず筆記用具を持って、必要とあらば書き込んでいきましょう。

物理に於いては、「法則を理解していてもどうやって問題に適用したらいいか分からない」という状態が非常に多いです。その状態を脱却するために様々な典型問題に触れる必要があるのです。様々な問題に触れる中で、「この問題にはこの法則をこのように適用すればいけるんじゃないか」と考えていくことができます。ただそれに気付くのに多大な時間を要するので、成績が上がらなくとも忍耐強く勉強を続けていきましょう。粘っていればpHジャンプの如く成績は上昇するはずです。

化学に於いては、物理と違って暗記事項が非常に多いです。問題を解いていく中で知識の確認・定着も合わせて行いましょう(特に無機分野)。これは英語・古典の勉強法と同じですね。また、計算力を要する問題が多いです。この傾向は特に東大、東工大、早大、慶大で目立ちます。強靭な計算力を身につけるべく、計算問題では特に時間を意識して解いてもらえればと思います。

参考書:
化学Ⅰ・Ⅱの新研究(高3 9月~2月)
問題集:
物理Ⅰ・Ⅱ重要問題集(高3 6月~8月)
化学Ⅰ・Ⅱ重要問題集(高3 6月~8月)
名問の森 力学・波動(高3 9月~10月)
名問の森 電磁気・熱・原子(高3 9月~10月)
東大の物理25カ年(高3 11月~)
東大の化学25カ年(高3 11月~)
東京大学への理科 実践模試演習(高3 2月)
入試攻略問題集 東京大学 理科(高3 2月)

Ⅴ.社会(センター地理B)

地理Bに限った話になります。ご容赦ください。

センター地理Bでは、覚えているかどうかはあまり問われず、論理的に考える力が要求されます。地形・気候・農業・工業は密接に関わりあっています。その関係性を意識しながら暗記することで、覚えやすくなるだけではなく、試験でも高得点を獲得しやすくなります。また、解説を読む際、知らないけれども知っておいた方がよさそうな事項は全て一つのノートに書き出していました。もしそれを地図上で表した方が良いと思ったら、地図帳に書き込むようにしていました。お蔭で地図帳は書き込みばかりです(笑)。

参考書:
なし
問題集:
センター試験対応 地理ノート(高3 11月~1月)
大学入試センター試験 過去問レビュー 地理B(高3 12月~1月)
大学入試センター試験 実践問題集 地理B(高3 1月)
 

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