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合格体験記 東京大学教養学部理科一類 太田智樹君①

中高生活で留意すべきこと

 みなさんはじめまして。東京大学教養学部理科一類2年の太田智樹といいます。この度、このようなWebコラムという形で合格体験記を掲載していただけることを大変嬉しく思います。私以外にも多くの方が同じような形でコラムを書かれていることを踏まえた上で、私にしかできないアドバイスを中心に話していけたらと考えています。

 まず、「東京大学」と聞いて「知らない」と答える日本人はいないでしょう。今では“日本一”、それどころか“アジア一”とも呼ばれる大学です。そんな東京大学の魅力を、簡単にですがお伝えします。まずはなんといっても「進学振分け」(通称「進振り」)でしょう。一般的な大学では1年次より学部学科に所属しますが、東京大学の場合、約1年間の教養課程で様々な学問に触れる中で、自分が本当に進みたいと考える進路を確定し、2年前期に志望届を提出し、志望が通れば2年後期より学部学科の専門科目の勉強に移行します(まだ学部学科所属ではなく、正式には3年次より学部学科所属という形になります)。

 しかしそれ以上に私が推している東京大学の魅力は、「学部学科の境界領域が広い」ことです。これは大学に入学して以来、様々な先輩方のお話を聴いたり、様々な学問に触れたりする中で感じたことです。つまり、無理に志望する学部学科を決める必要がなくなるわけです。現代を取り巻く多種多様な問題はいずれも非常に複雑化しています。その問題を解決していく為には、分野・領域を横断して考えるベースとなる幅広い知識と経験が必要です。もちろん学部学科の境界領域が広い東京大学では、そういった幅広い知識も経験もしっかり身につけられることが保証されています。これほどの素晴らしい東京大学で一緒に切磋琢磨して成長しませんか。

 それでは私の略歴を簡単に振り返り、皆さんに有益なアドバイスを与えることができたらと思います。小学生の時に学習塾に通い、中学受験を経て、第一志望の駒場東邦中学校に晴れて入学しました。高校からは一切生徒を募集しない完全中高一貫校です。中高一貫校生に特有の現象と言えば、中3~高1における「中弛み期」でしょう。況して、完全中高一貫校ともなれば、高校から入学してくる生徒もいない為、新しい競争相手はおらず、勉強に対するモチベーションがなかなか上がりません。例に漏れず私もその一人でした。同じような形で私以外にコラムを書かれた方々の多くは高校受験されていますので、私からは特に中高一貫校生に向けてアドバイスできたらと思います。

 「中弛み期」にいた私自身、勉強を疎かにして、部活の練習に励んだり、映画やドラマを鑑賞したり、様々なアーティストに手を出して音楽を鑑賞したり、と、勉強とはおよそ無縁の生活を送っていました。長期休暇の課題に手をつけた覚えはありません。そんな2年間も含めた中高生活6年間を過ごした上で大きく後悔・反省したことを振り返ってのアドバイスを話します。

 まず、「何事にも一生懸命に取り組む」ことが大事だと感じます。たとえ、人生で遠回りをするのであれ、眼前の事柄に対して全力で取り組むことが肝要です。目標に向かって熱中するという経験は必ずや、高校生活の最後を締めくくる受験勉強の糧となります。これは私が高校生活最後の体育祭に本気で取り組んだ経験を踏まえての思いです。補足的に言えば、「目標を持つ」ことも大切でしょう。目標を持たずに頑張ることなどほぼ不可能です。ただ、いきなり大きな目標を立てることに意味はありません。日々小さな目標を立てていきましょう。勉強、部活、趣味、恋愛……自分が打ち込む何事に於いても目標を持ちましょう。自ずとやる気も出てくるはずです。

 また、自分の勉強について大きく反省するとすれば、理解できない箇所をそのまま放って中途半端な状態にしてしまったことが大問題だったように思います。誰しも根本的に“中途半端”は嫌いなはずです。理解できない箇所は、腰を据えて理解できるまで考え、絶対に中途半端なままで終わらせないようにしましょう。そのことを踏まえつつ、常日頃の勉強はキリの良いところで終わらせるようにしましょう。一時的に達成感が生まれる上に、勉強再開時にフレッシュな気持ちで始められる為です。

 そして、中高一貫校に中学時から入学している人に対して、「最低限学校の授業を完全に理解することに努める」ことを強く述べておきます。もちろん勉強だけに集中する必要は全くなく、部活、恋愛、趣味など様々な方面で精を出すことも大切なことです。ただ、最低限として、学校の授業を真面目に受け、ほぼ完全に理解し、定期試験で高得点獲得を目標に着々と努力することを忘れないでいただきたく思います。

 

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