推薦入学試験
受験資格
推薦入学試験は、評定平均値と年齢の条件を満たした者だけが受験することができる試験で、そのため、倍率が4~6倍程度と一般・センター利用入学試験よりもかなり低いのが特徴です。
ただし、推薦入学試験は近畿大学を除いて専願で、合格したら必ず入学しなくてはなりません。ですから、入学試験においては受験校になぜ入学したいのかを明確にしておかなくてはいけません。
学校名 | 出願資格 | 募集 人数 |
受験者数合格者数 | 倍率 | |
---|---|---|---|---|---|
岩手医科大学 (地域枠) |
評定平均値4.3以上(現役・1浪) 岩手県内の高校を卒業・卒業見込みの者 |
15名 | 88/20 | 4.4倍 | |
岩手医科大学 (一般) |
評定平均値4.0以上(現役・1浪) | 20名 | 56/15 | 3.7倍 | |
獨協医科大学 (地域枠) |
評定平均値4.0以上(現役・1浪) 北関東3県・埼玉県・福島県の高校を卒業あるいは卒業見込みの者 |
10名 | 65/11 | 5.9倍 | |
獨協医科大学 (指定校) |
NO DATA | 20名 | 57/24 | 2.4倍 | |
埼玉医科大学 (公募) |
評定平均値全体4.0以上、理科・数学・外国語がそれぞれ4.0以上(現役・1浪) | 10名 | 42/10 | 4.2倍 | |
埼玉医科大学 (指定校) |
評定平均値全体3.8以上、理科・数学・外国語がそれぞれ3.8以上(現役)、大学が指定する高校 | ||||
東京医科大学 (公募) |
評定平均値4.0以上(現役) | 20名以内 | 87/20 | 4.4倍 | |
東京女子医科大学 (公募) |
評定平均値4.1以上(現役・女子) | 20名 | NO DATA | ||
東京女子医科大学 (指定校) |
NO DATA | 15名 | |||
日本大学 (付属推薦) |
NO DATA | 15名 | NO DATA | ||
北里大学医学部 (指定校) |
NO DATA | 30名 | 52/38 | 1.4倍 | |
聖マリアンナ医科大学 (指定校) |
評定平均値全体4.0以上、理科・数学・外国語がそれぞれ4.0以上(現役)、大学が指定する高校 | 15名 | NO DATA | ||
金沢医科大学 (公募) |
評定平均値3.8以上(現役・1浪で19歳以下) | 20名 | 91/21 | 4.3倍 | |
愛知医科大学 (公募) |
評定平均値3.7以上、理科・数学・外国語がそれぞれ3.7以上(現役) | 25名 | 107/26 | 4.1倍 | |
藤田保健衛生大学 (公募) |
(現役・1浪、大学を卒業したものは35歳以下) | 20名 | 269/20 | 13.5倍 | |
関西医科大学 (公募) |
国語・地歴・公民・数学・外国語の評定平均値が4.0以上(現役)卒業後、本学が指定の地域・診療科において医師として従事する意欲のある者 | 10名 | NO DATA | ||
近畿大学医学部 (公募) |
(現役・1浪) | 30名 | 639/47 | 13.6倍 | |
兵庫医科大学 (公募) |
評定平均値4.0以上(現役)4.2以上(1浪) | 約15名 | 59/15 | 3.9倍 | |
兵庫医科大学 (地域枠) |
評定平均値4.0以上(現役)4.2以上(1浪) 保護者が兵庫県内に在住または本人が兵庫県内の高校を卒業あるいは卒業見込みの者 |
5名以内 | 33/5 | 6.6倍 | |
川崎医科大学 (中国四国枠) |
18歳以上22歳以下 その他地域等に制限あり |
15名 | 62/23 | 2.7倍 | |
川崎医科大学 (岡山県枠) |
5名 | ||||
久留米大学 | 評定平均値3.8以上 卒業後、本学が指定する医療機関において4年間勤務する意志のある者 |
10名 | 45/10 | 4.5倍 | |
福岡大学医学部 (公募) |
評定平均値全体3.7以上(現役・1浪) | 20名 | 160/24 | 6.7倍 | |
福岡大学医学部 (地域枠) |
評定平均値全体3.7以上(現役・1浪) 保護者または本人が九州・沖縄・山口県に在住または九州・沖縄・山口県の高校を卒業または卒業見込みの者 |
10名 | 67/11 | 6.0倍 | |
産業医科大学 | 評定平均値全体4.3以上(現役・1浪) | 20名以内 | 97/20 | 4.9倍 |
出願書類について
出願書類は一般入学試験より重視されます。高校からの調査書の中で、評価の対象になるのは遅刻・欠席の欄です。医師になる上で体力があることは非常に重要ですが、遅刻・欠席が多いと体が弱いのではないかと疑われてしまいます。また、大学によっては志望理由を書かせる大学がありますが、これは重要です。推薦入学試験では学力だけではなく学習意欲や志望理由などを総合して合否を判定しますから、小さい欄であっても志望理由書はしっかりと書くべきです。中には、志望理由書が志願票と別紙で800字もある関西医科大学など、相当な量を書かせる大学もあります。志望理由書は早めに取り組み、書き終えたら複数の人のチェックを受けるようにしてください。
一般入学試験に似た傾向を持つ大学が増加
岩手医科大学・愛知医科大学・藤田保健衛生大学・近畿大学・兵庫医科大学などの問題は一般入学試験と推薦入学試験の問題が非常に似ています。難易度は推薦入学試験の方が簡単ですが、これらの大学では学科試験の対策として一般入学試験の過去問を解くと効果があります。
一方、東京女子医科大学のように、一般入学試験と全く異なるタイプの問題を出す大学もあります。推薦入学試験の受験を決めたら、入試問題を入手して傾向をしっかり把握しましょう。
併願可能な近畿大学の推薦入学試験
推薦入学試験は、専願ですから2校以上に出願することはできません。しかし、近畿大学は私立大学医学部では唯一併願可能な大学です。そのため、他の大学の推薦に加えて出願することができます。その分、倍率は高くなりますが、可能性を広げる意味でも受験校に加えることをお勧めします。
面接・小論文の重要性
推薦入学試験では、一般入学試験以上に面接・小論文試験が重視されます。
面接では、なぜその大学を志望したのかを問われますから、確実に答えられるようにしましょう。ただし、紋切型の受け答えはあまり良くありません。対策は大切ですが、それ以上に自分の本心をしっかりと相手に伝えることが大切です。
また、兵庫医科大学・福岡大学・東京女子医科大学ではグループ討論が課されますし、愛知医科大学ではカードの読み取り問題など、毎年凝った問題が出題されます。これらにはしっかりと対策をしておく必要があります。
小論文については、課題文形式の大学とテーマ作文があります。どちらの形式であっても、自分の意見を日本語で正確に伝える力を養うには時間が必要ですから、十分な時間をかけて練習をする必要があります。
また、難解な文章が出題される場合もあるため、文章の読解力も身に付けておかなくてはいけません。
推薦入学試験を勧める理由
推薦入学試験は現役生や1浪生にとって非常に有利な試験です。平均倍率が17倍を超える一般・センター利用入学試験に比べて、推薦入学試験では倍率が4~6倍程度、評定平均値の制限のない藤田保健衛生大学や近畿大学でも13倍程度と倍率の面で有利であるだけではなく、年齢制限があるため、学力の高い浪人生が受験してこないことがその理由です。
実際、一般入学試験では厳しいと思われる生徒が推薦入学試験で合格することもありますし、チャンスを広げるという意味でも、受験資格があるのならば受験するべきです。