医学部受験の化学学習法 第4回
偏差値50まで(無機化学・有機化学)
偏差値50まで(無機化学)
<1>必要な教材
前回、理論化学のときに書いたものと合わせて、受験に必要な知識がまとめられているもの。プリント類で適当なものがなければ、
文英堂『これでわかる』シリーズの参考書
無機化学だけをまとめた薄い受験用参考書
あたりが手頃でしょう。
完全にまとめだけのもの(例えば、陽イオン分析の表だけが書いてあり、説明のないものなど)はNG。また、好みによりますが、高校で習う以上の理論が書いてあるものも、この段階ではあまりお勧めしません。
<2>学習の注意点
無機化学を暗記だけだと思っている人もいますが、そうでもありません。最低限の背景が理解できていないと丸暗記はできないでしょう。まずは、理論化学を一通り学習し終えてから、無機化学の学習を始めましょう。
実際に学習する際には、理論化学で学習した内容を見直しながら進めていきましょう。例えば、NaOHの製法(イオン交換膜法)は電気分解、気体の製法反応の多くは酸塩基(弱酸遊離)や酸化還元(金属と酸との反応)で学習しています。互いに関連づけながら知識を増やしていくとともに、これまでに学習した内容の復習にもなるでしょう。
<3>到達すべきレベル
上記のように学習していっても、化学物質の用途、理論的背景の見えにくい工業的製法など、暗記するしかない事柄も実際には多いと思います。時間的な余裕があれば、この段階で一度暗記することをお勧めします。全体量を把握することで、その後の学習計画が立てやすくなります。ただし、記憶を維持し続けるのは多くの労力を要しますので、すぐに忘れても構いません。
偏差値50まで(有機化学)
<1>必要な教材
『講義集』がもっともわかりやすいでしょう(前回内容を参照)。一般的には、初心者向けで、反応の理論(「求電子反応」など)はあまり書いていないものの方が読みやすいと思います。
<2>学習の注意点
理論化学や無機化学は、中学校時代にも少しは学習しますが、有機化学を学習するのは完全に初めてだと思います。そのため、
①他の単元との関連性が少ないので、潜在能力は高いがこれまで化学の勉強をほとんどしてこなかったという受験生は、まず有機化学から開始するという方法も可能です。
②習い始めが重要。うまく軌道に乗りましょう。
それでは、うまく軌道に乗るために必要なことは何か。まず、第一に、初めて聞く用語がたくさん出てきますので、できるだけ早く暗記することです。学校の授業など、集団授業の初期段階でそこを怠ると、その後の授業が完全にチンプンカンプンになり、「有機は難しい」という印象だけが残ることになってしまいます。それでも後でもう一度やり直せばできるようになりますが、やはり時間のロスですね。
2つめに、常に構造式をイメージしながら学習すること。子供のころにレゴで遊んだ経験がある人など、図をイメージする能力が高い生徒は、すぐに有機化学の反応のしかたになじむことができますが、そうでない人は要注意。学習するときは、常に構造式を書くことをさぼらないようにしましょう。例えば、エステル化の反応なら、カルボン酸とアルコールの示性式を並べて書き、「ここのH2Oがとれる」とつぶやきながらHとOHを囲み、それを見ながら生じるエステルの示性式を書く。この作業を繰り返していけば、有機反応のパターンがわかってきます。脂肪族化合物をこういう感じでクリアーできれば、後は楽です。
<3>到達すべきレベル
何よりも基本的な反応のパターンを書けるようにすること。反応系統図を埋められるかでチェックしてみましょう(初めから系統図を覚えにかかるのはダメです)。さらに、物質の名称、反応の種類などの用語を一通り覚えたらこの段階はクリアーです。
面白そうだと感じたら、構造推定の問題にもチャレンジしてみましょう。
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