医学部受験を決めたら 私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム

私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム は、医学部受験情報のポータルサイトです。
会社概要 | このサイトについて | 出稿ご希望の方はこちら

関西医科大学 一般入試 生物

2012年度

大問1は膵臓の構造と機能に関する問題。全体として易~やや易。基本的に記号選択問題である。教科書レベルの知識が頭に一通り入っていれば軽々と満点がとれる。問題文中の図がとても見にくい図なので慣れておく必要があるかもしれない。教科書の理解と暗記を進めよう。

大問2は反射に関する問題。全体として易。基本的に記号選択問題である。教科書レベルの知識の主な部分が頭に入っていれば軽々と満点がとれる。何も考えることなく簡単な知識を取り出せばそれで解けてしまう。教科書の理解と暗記を進めよう。

大問3はDNAの構造に関する問題。全体として易~やや易。基本的に記号選択問題である。教科書レベルの知識が頭に一通り入っていれば軽々と満点がとれる。問4のみやや易~標準で、問題集には必ず載っている計算問題だし、教科書や図表にはコラムとして掲載されているはずであるから、しっかりと覚えておきたい。

大問4は細胞分画法に関する問題。全体として易。基本的に記号選択問題である。教科書レベルの知識の主な部分が頭に入っていれば軽々と満点がとれる。細胞分画法という高校生物で最初に習うであろう初歩的、簡単な実験が出題されているため、確実に満点を取りたい。

大問5は染色体構成に関する問題。全体として易。すべて記号選択問題である。教科書レベルの知識の主な部分が頭に入っていれば軽々と満点がとれる。教科書の理解、暗記を進めよう。

2011年度

大問1は腎臓の働きと構造に関する問題。全体として易~やや易。すべて記号選択問題である。2012年度同様、簡略化された非常に見にくい図が出題され、慣れが必要。問5までは易である。しかし、腎臓の位置を問う問6は意外と盲点かもしれない。教科書などの暗記をする際に知識を文章で覚えようとしがちであるが、しっかりと図でも記憶しよう。

大問2は細胞分裂とDNAの構造に関する問題。全体として易~やや易。基本的に記号選択問題である。教科書レベルの知識が頭に一通り入っていれば軽々と合格点がとれる。

問2のウに関してだが、ヌクレオソームは教科書レベルの単語ではなく、図表に載っている単語である。この問題だけポンッと知識レベルが上がっていて、周りとのギャップが凄まじい。おそらく過去問をみっちりと解いてきた受験生はこのレベルのものが出題されることは予期していないであろうから正答率は低かったであろう。また配点もそれほど高くないことが予想されるため、捨て問としてもよいだろう。問3の計算問題はあまり出題例としては多くはないが、単純で考えればすぐにわかる。落ち着いて解こう。

大問3は骨格筋構造と筋収縮の仕組みに関する問題。全体として易。基本的に記号選択問題である。教科書レベルの知識が頭に一通り入っていれば軽々と満点がとれる。問1のような樹形図状や簡略化された穴埋め問題が他の大問、他の年度でも目立って出題されている。こうした問題は受験問題としてはあまり多く見かけるものではないので、過去問を解くなりして慣れることが必要だ。問1の選択肢にみられるダイニンとキネシンは高校範囲を超え、大学レベルではあるが、答えには用いないので無視してよい。こうした高校レベルを超えた単語が選択肢にみられることはたまにあるが、総じて正答には当てはまらないようである。消去法として用いてもよいが、信用はし過ぎないこと。例外のある可能性もあるからだ。

大問4は血液の成分とその働きに関する問題。全体としてやや易。教科書レベルの知識が頭に完璧に入っていれば軽々と満点がとれる。問2に関してだが、こうした問題の傾向として、関西医科大学では教科書に載っていない知識は基本的にどれにも当てはまらないとしてよいようである。この基準は関西医科大学の同傾向の出題形式の問題に広くあてはまりそうであるが、この解き方をするには教科書レベルの知識が完璧に暗記できている必要がある。知識の暗記が非常に重要になってくるため、教科書の熟読を進めよう。問3の正誤問題も同様。

大問5は突然変異に関する問題。全体としてやや難。この問題に関しては知識云々というレベルではない。塩基配列の扱い方にどれほど長けているか慣れているかが問われている。解答は赤本のとおりでよいが、もう少し考え方について深く触れておこう。

(1)と(2)の塩基配列間で最初のアミノ酸以降に共通部分が見られ、最初のアミノ酸が異なるので最初のトリプレットに置換変異が起こったことを疑うと書かれているが、この根拠は以下の二つ。まず、塩基配列に起こった変異が1か所のみであること。解答では全く重要視されていないが、解答のような解法が成り立つのは変異が1か所であることによるところが大きい。

次に、挿入・欠失変異(あわせてフレームシフトと呼ぶ。フレームシフトという単語は覚えなくてよい。研究者で好んで使いたがる人がごく稀にいる。)が起こったとすると、変異部分以降のアミノ酸配列に共通性が生まれるはずがないことである。塩基配列を見ればごく簡単に読み取れることではあるが、普通に考えればありえないことである。しかしこの「普通」なことが解答の大きな根拠であり、よりどころとなる部分であるため、ここに触れておいた。赤本の解答にこのようなことが書かれていないことは非常に残念でならない。

もちろん、このレベルで解答解説をすべての問題につけるとしたら赤本を上下巻セットで売り出さなければならなくなるであろうから、編集者の気苦労をうかがい知ることもできよう。この大問は他に例を見ないような新しい問題であり、塩基配列に関する深い思考力が厳粛に試される至極良い問題であった。

2010年度

大問1はヒトの循環経路と肝臓の働きに関する問題である。全体としてやや易。教科書レベルの知識が完璧に頭に入っていれば軽々と合格点がとれる。

問3のアンモニアと生成される尿素の物質量の関係を答えさせる問題は難しく、非常に細かい知識である。図表を読んで理解していても、アンモニアと尿素の物質量にまで気を配って覚えるには相当な苦労が必要だし、これに自信を持って正答できた受験生はなかなかいないであろう。むろん、これは生物学における事情であって、化学Ⅱに有機化学分野まで詳細に学習している人であれば尿素の化学式CO(NH2)2は簡単に思い浮かべられるであろうから、そこまでどうしようもない問題でもない。ただ、生物学範囲に限れば難しい問題であるし、化学的な側面にも解答が及ぶ非常な良問であることに違いはない。問5に関して、腎臓の位置を答えさせる問題が出題されている年度があったが、今回は肝臓。一度腰を据えて図として全身の臓器の位置を覚えた方がよさそうだ。

大問2はアルコール発酵と乳酸発酵に関する問題。全体としてやや難。この大問は図表を丸暗記してあればいとも簡単に解ける。ただ、暗記のレベルが高い。同化や異化のここまで詳しい反応に伴う物質収支を問われる問題は非常に少なく、ほとんどの受験生は主な部分を覚えるにとどめておくことが多いし、学校や塾でもおそらく詳細に暗記しておいた方がよいという指導をされる先生方はごく稀であるはずだ。しかし、現に関西医科大学の受験問題として出題されているのだから、完全に覚えるほかない。数字や物質名だけしか出てこず、反応が回路状を成しているためどこから覚えればよいかわからず、苦労するかもしれないが、腰を据えて覚えよう。

大問3は様々な範囲から出題されている問題。全体として標準~やや難。一つ注意しておきたいのは、この問題の難易度を標準~やや難としたのは、問題のレベルが高いということではなく、共通点が分かったとしても時系列順に並べるのが難しかったり、問題の出題傾向としてとても稀有なものであるため受験生が短い解答時間の中で焦ったりという要因によって、他の大問より比較的正答率の低下が窺い知れる様な内容であったからである。

では問題の内実に迫っていくが、まず(1)はなんとも意地が悪い。生物選択ならば、a,b,eに共通点が見られることは大方わかるだろう。しかしそれを年代順に並べるとなると途端に正答率は下がる。これは、実験の結果や実験から得られた事実と、その実験を行った実験者の名前とがリンクしていないことがあるためである。ワトソンとクリックはあまりにも印象的だが、ともするとアベリーなどはもはや覚えてすらいない人もいるかもしれない。(私は決してアベリーを中傷しているわけではなく、高校生物という非常に稚拙な科学的な世界においてその学習者たる受験生の中での著名度を指してこう述べているだけであるということに留意されたし。むしろ私はアベリーのような先駆的な研究者に尊敬の念を大いに抱く。)こうした状況では時系列順になど並べられるはずがない。したがって問題の難易度は高くないにも関わらずあまり正答できないという芳しくない事態が湧出する。

(6)はおそらく外界からの音波の通る順という意味であろうが、出題に多少あいまいな点があると私は考える。なぜなら器官の形成順と捉える方法もあるからである。少々屁理屈が過ぎたか。

大問4は一遺伝子一酵素説に関する問題。全体として標準。

問2は意外と盲点であり、アカパンカビの分類を問われることは少なく、ノーマークの人が多いのではないか。実験に登場してくる生物のうち、分類が分かりにくいと思うものは覚えておいた方がいいかもしれない。

問3の栄養要求株の作成方法を答えさせる問題はこれまた覚えていない人が多いのではないか。図表にはしっかりと載っている知識であるから押さえておきたい。なお、突然変異体の作り方はこの時代ではほとんどが放射線照射によるものであり、遺伝子組み換えを用いるようになったのはバイオテクノロジーが発達してきた20世紀後半からである。

問5はただの遺伝の問題ではなく、アカパンカビの遺伝であることに注意。カビ本体は菌糸で核相はn、これが分離した分生胞子も核相はnである。したがって接合子(2n)が減数分裂してできる子嚢胞子の核相はやはりnとなる。特定の生物についての遺伝問題が出題された時には必ず遺伝様式を考えよう。

大問5は伝道速度の測定に関する問題。全体として標準。計算問題が2問見られるが典型的な問題で、演習を重ねていれば難なく解ける。問4の座骨神経に関する問題は、座骨神経が脊髄から分岐していることをもしかしたら知らないくらいでほかのことは簡単に正答できるだろう。むろん、座骨神経は高校生物では最も有名な神経の一つなので、脊髄から分化していることは当然知っておいてほしい知識ではある。

2009年度

大問1はオペロン説に関する問題。全体として標準~やや難。関西医科大学には珍しく実験問題である。

まず、この問題の出題範囲であるオペロン説自体が難しい範囲であるので問題全体のレベルも必然的に高くなる。問1のグラフを選ばせる問題、問2の処理に伴う結果を予想させる問題はオペロン説の範囲に頻出の出題パターンであるので是非ともマスターしておきたい。オペロン説などの生物Ⅱの遺伝子範囲のところは教科書だけではなく、必ず図表を用いて図として頭に入れることを心掛けよう。

大問2はタンパク質の構造と機能に関する問題。全体としてやや易。

問3ではjのすべての生物の細胞で必須の働きをするという選択肢で迷うかもしれな。生物の細胞に普遍的に含まれている物質としてはDNAやタンパク質があるが、これらに関係するものを選べばよい。RNAポリメアラーゼ以外はすべて局地的に働くタンパク質であり、すべての細胞では働かない。一方、RNAポリメラーゼはDNAからRNAを合成するのに必要なためすべての細胞に含まれている。

大問3はクエン酸回路に関する問題。全体として標準。問2以降は標準かそれ以下の問題で、模式図と多少の知識があれば解ける。厄介なのは意外にも問1で、模式図の中にここまで穴埋めが多いと非常に埋めづらい。炭素数を頼りにしても解答することはできるが、2010年度にアルコール発酵と乳酸発酵の詳細な反応過程を問う問題が出題されたことを併せると、もはや同化、異化の範囲の反応はすべて暗記してしまった方がよさそうだ。覚えるのに苦労するが、逆に言えば覚えれば確実に点数につながるので頑張ってほしい。

大問4は配偶子の形成、DNAの構造に関する問題。全体としてやや易~標準。減数分裂の仕組みと始原生殖細胞からの分化の過程が詳細に理解できていれば満点は必至。ただこの他にも「G1、G2期とは何が起こる期間なのか」、「一次精母細胞、二次精母細胞では核相とDNAの様子はどのようになっているか」、「有胚乳を含めた植物の生殖細胞からの分化の仕組みが分かっているか」など、多くの細かい知識が必要ではある。知識の量を問われているだけで問題としては単純な反面、その必要量が多いため、易ではなく、上記のような問題の難易度設定とした。対策としては教科書と図表の理解と暗記を進めれば必ず解けるようになるので、さっそく取り掛かろう。

大問5は光合成の速度測定実験に関する問題。全体として標準。

問1,2は計算問題であるが、どちらも標準典型問題でしっかりと得点したいところ。ただ典型問題とはいってもここの範囲はしっかりと数学(というより算数か)に則って単位良あたりの数を考えることが必要である。

2008年度

大問1は光合成と好気呼吸に関する問題。全体としてやや難。まず光合成と好気呼吸に関する詳細な反応過程が問われている。複雑な反応の詳細な反応過程についての出題が多く見られるので、何度も言うが、全部覚えてしまおう。問3,4の生成後のATPの存在場所を問う問題は珍しい。図表を用いて図として頭に入れておく必要がある問題である。

大問2は遺伝子発現とその調節に関する問題。全体としてやや易~標準。どれも知識があれば必ず解ける問題で、教書や図表の理解、暗記を進めよう。

大問3は伴性遺伝に関する問題。全体としてやや易~標準。問題のレベルとしてはやや易としたいところであるが、問1の処理にとても時間がかかると予想されるため、そうしたところも加味して上記のような難易度設定とした。

問1はすべて実際に考えるか、同じ遺伝をするものをグループ分けしてから考えるかの2通りあるが、どちらも時間的にはさほど変わらないと思われるため、正確さを取ってすべて実際に考えた方がいいであろう。

問2に関しても同様。問1で選んだものを実際に考えて当てはまる選択肢を答えよう。遺伝範囲の問題に関しては、必要な知識を身に着けたらあとは演習あるのみなので、多くの問題を解く中で解法を磨いていこう。

大問4はホルモンの働きと分泌の調節に関する問題。全体として易。知識のみで解けるし、必要な知識のレベルも高くない。しっかりと満点を取りたい大問である。この大問に関しては教科書レベルの知識でよさそうだ。

大問5は細胞分裂に関する問題。全体として易~やや易。問1,2は易で、知識のみで解ける。問3は計算問題であるが典型問題で難しくない。教科書の理解、問題演習を重ねていれば簡単に満点がとれる大問である。

総説

問1のような樹形図状や簡略化された穴埋め問題が他の大問、他の年度でも目立って出題されている。こうした問題は受験問題としてはあまり多く見かけるものではないので、過去問を解くなりして慣れることが必要だ。

 

全国私立大学医学部 各大学別入学試験情報