医学部受験を決めたら 私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム

私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム は、医学部受験情報のポータルサイトです。
会社概要 | このサイトについて | 出稿ご希望の方はこちら

愛知医科大学 一般入試 英語

出題形式について

2008年は試験時間90分で大問5問の形式だったが、2009年以降は試験時間は100分になっている。大問数は2009年は6問、2010年以降は8問となっている。実質的な問題量は2008年は34問だったが、2009年以降は49〜55問で推移している。長文問題の各文の長さは251words〜555wordsで、平均すると100分で1700wordsの文章を読みながら、52問の小問に答えてゆくことになる。

1問にかけることができる時間は2分弱。長文問題のほとんどが文章の内容に関する設問であることを考えると、速読即解でよどみなく解き、確実に得点する力が必要になる。

過去5年間の各年度ごとの長文のテーマと、各大問あたりの小問の形式を表にしたので参考にしてほしい。

各英文のテーマ

2012 III 食物連鎖における種の相互依存と進化について 378words
IV 二カ国語以上話せる人はどう言語を切り替えているか 402words
V 人類が潜在能力を生かし切れない理由 479words
VI 自転車通勤の楽しみ 515words
2011 III 紙ナプキンに書かれたビジネスアイデア 315words
IV 世界共通語の難点 366words
V 無償で人を喜ばせることの喜び 403words
VI 燃え尽き感は新しい良い変化の前触れ 405words
2010 III ギャンブル中毒になる要因 251words
IV 子供の話にきちんと耳を傾けるには 342words
V 人口増加と消費行動が環境に及ぼす影響 470words
VI 人の顔が見分けられない少女 484words
2009 1 テレビの中毒性 458words
2 明日はもっと良い日になるだろう 479words
3 バランスの取れた生活をするために 477words
4 法廷での子供の証言の信憑性について 308words
2008 1 ウィリー・メイズの思い出 555words
2 子供がゆとりを持つことの必要性 443words
3 地球温暖化と二酸化炭素 440words
4 効率的に人の話を聞くには 347words

小問の形式

2012 I 空所補充(語句) 10問
II 誤りの指摘 5問
III 空所補充(語句) 10問
IV 空所補充(語)×5(うち記述×1), 整序英作×1, 内容一致×1 7問
V 空所補充(語)×4, 部分和訳(記述)×1, 空所補充(語・記述)×2 7問
VI 空所補充(語)×4, 同義表現×1, 整序英作×1, 空所補充(語)×1 7問
VII 語の定義(記述) 6問
VIII 整序英作 3問
2011 I 空所補充(語句) 10問
II 誤りの指摘 5問
III 空所補充(語) 10問
IV 空所補充(語)×5, 整序英作×1,空所補充(語・記述)×1 7問
V 空所補充(語)×5, 代名詞の内容(記述)×1,空所補充(語・記述)×1 7問
VI 空所補充(語)×4, 整序英作×1,空所補充(語・記述)×2 7問
VII 空所補充(語・記述) 3問
VIII 整序英作 3問
2010 I 空所補充(語句) 10問
II 誤りの指摘 5問
III 空所補充(語) 10問
IV 空所補充(語句) 4問
V 空所補充(語)×4, 整序英作×1,文法×1, 和訳(記述)×1, 7問
VI 空所補充(語・文)×5, 語の示す内容(記述)×1, 空所補充(語・記述)×1 7問
VII 空所補充(語・記述)×3 3問
VIII 整序英作 3問
2009 (1) 空所補充(語句)×4, 空所補充(語)×2, 和訳(記述)×1 7問
(2) 整序英作×1, 和訳(記述)×1, 代動詞の内容×1, 表題付け×1, 4問
(3) 空所補充×4, 語の定義×1, 空所補充(記述)×1, 空所補充(句)×1 6問
(4) 空所補充(語)×10 10問
(5) 空所補充(語・句・節)×13, 誤りの指摘×7 20問
(6) 空所補充(語・記述)×3, 整序英作×3 6問
2008 (1) 空所補充(語)×4, 空所補充(語・記述 )×2, 空所補充(句)×1 7問
(2) 空所補充×4, 整序英作×1, 同意表現×1, 反意表現×1 7問
(3) 空所補充(文)×4, 整序英作×1, 空所補充×1, 代名詞の内容×1 7問
(4) 空所補充(語)×4, 空所補充(句 )×1, 空所補充(語・記述)×2 7問
(5) 空所補充(語・記述)×3, 整序英作×3 6問

年度ごとの出題内容と解析

2012

全体評  100分で大問8問の形式は変更なし。総問数は55問で昨年より若干増えたが、長文の総語数は昨年より230words程増え、Vの難易度が上がったため難化した。問題形式はここ3年程余り変化はない。文脈から類推して、語彙で入れてゆく空所補充問題が相変わらず多いが、今年は内容一致問題も見られた。また、新傾向として語の定義によって該当の単語を答える記述式の問題が、昨年までの2つの文の( )に入る共通の単語を入れる問題に替えて出題された。長文問題は4問中3問はセンターレベルで読みやすく、解きやすい問題だが、Vは文章、設問の内容共にかなり難化した。他の長文はセンターレベルとは言え、ここで余り時間を取ると命取りになる。時間配分に気をつけること。

I

文法語法問題10問。いずれも標準的な問題。熟語等の慣用表現が多いのは昨年同様だが、最近見られなかった語彙の問題がに2題入った。いずれにせよ、特に難しい問題は見当たらない。日ごろから標準的な文法語法問題をきちんとこなして地力を養うことが大切。

II

誤りの指摘5題。ifとunless、現在分詞と過去分詞、時制×2、名詞単数複数と基礎的な問題ばかり。分詞の問題は3年連続で出題されている。2012年は教科書レベルの時制の問題が2題入った。

III

2009年以降毎年出題されている、長文の選択式の適語補充問題。2011年までは文脈にそって、語彙を拾って入れてゆく問題が中心だったが、今年は文法語法問題がほとんど。長文形式の文法語法問題を苦手とする受験生は多いが、解き方は基本的には I のような、単問形式の文法語法問題と同じ。ただ、長文の中に設問が含まれる場合、ベースとなる文章が単問形式よりも複雑な文章や、長い文章が多いため、決め手が見つけにくいかもしれない。まずは単純な端問形式の文法語法問題をくり返し解いて、答えを選択する根拠を確実に見つける練習をすること。その後同様の、長文の文法語法問題で練習しておくことが大切だ。

ただ、一般の長文適語補充問題は選択肢が欄外にまとめてある場合が多いが、愛知医科は、選択肢が文章の中に含まれていて、文が読みづらく、文の構造も掴みにくい。愛知医科の過去問や法政大の一部の学部など、これに似た形式の問題で慣れておくと良い。この文章は食物連鎖における種の相互依存とそれに伴う進化に関する内容。センターレベルで読みやすい。

IV

文章はセンタ―レベル。2カ国語以上の言語を話す人がいかにうまくそれぞれの言語を切り替えて使用しているかについての話題。26〜29は例年通り5択の空所補充問題で、語彙や語法で入れてゆく問題。特に難しいものはない。確実に得点しよう。

⑤のdeactivatingは「〜の使用を止める」こと。記述Aは中抜けの単語にアルファベットを補ってちゃんとした語にする問題。文脈で考える。知っていても我々の前で使ったことのない「隠された」言語。30〜32の整序英作は熟語のmake it through〜「〜を何とかやってゆく、〜をうまくやり遂げる」がポイントだが、仮に分からなくても、直後の地の文、as a British subjectにつながるものを見つけること。 as の前に identifiedを入れることができれば、without being identified とつながり、残りの3語のmade it throughは何とかつなげることができる。整序英作の問題で前後に地の文が残してあるものは、直後の地の文に注意が必要。最終的に、ちゃんと後ろにつながるかどうかをチェックすること。

33は愛知医科では珍しい内容一致問題。3つの文章が本文の内容に合っているかを正誤の組み合わせの中から選ぶ問題。本文の該当箇所を捜すためのキーワードも見つけやすく、紛らわしい内容もない平易な問題。全問正解で得点源にしよう。

V

人類は自分たちの持っている高い潜在能力をなぜ生かし切れないのかという文章。構文、内容ともにやや難しい。34〜37は愛知医科お約束の5択の空所補充問題だが、34〜36は難しい。 34〜36とも、文脈をしっかり把握し、対比されている内容を掴んで解答すること。34を含む文章では過去と現代が対比されている。of their future が現在を示しているなら、過去を表すof their ( )に入れるのに最も相応しいものは? 35、この文ではliesとtruthが対比されている。truthがreal and valuable informationなら、lies に対応する語は? 36も該当の文の文頭のOn the other handに着目して対比を使って考える。applied science「応用科学」の生み出した good が medicine にあるなら、secret laboratories で開発される注意深く管理しなければならない evil なものとは? 記述Bの部分和訳は標準問題。

記述Cもなかなかの難問。本文にある箇所も離れていて見つけにくいが、ここも文全体を流れている対比を使って考える。元々この文は人類がその高い潜在能力に比べて成し遂げたことが少ないことから始まっている。該当分の主語になっている what we ought to be able to do が potentialities を 表しているなら、our confused ( ) に当てはまるのは・・・・? 記述Dも同様に前文の内容から類推して、ネガティブな内容の語を考える。と言うと難しく思われるが、頭と尻尾が与えられているので、迷うことはない。

今回のVの設問は形式は従来の愛知医科の形式だが、内容的にはかなり難しくなっている。この文章自体が、多くの対比を用いて書かれているため、設問もその点をついた内容になっている。この対比を用いた設問は藤田保健衛生大の長文総合問題によく見られる。今後この傾向が続くかどうかはまだ分からないが、念のため、藤田の過去問で練習しておくと良い。

VI

自転車通勤の楽しみについて書かれたセンターレベルのエッセイ。38・40・44・46はお馴染みの文脈を掴んで語彙で入れてゆく、5択の空所補充。選択肢の語も標準的で特に難しいものはない。44のstrike one's fancy は「〜の気に入る」と言う熟語。41〜43の整序英作、主語をIにするかhalf-hourにするかがポイント。直後のmyself が挿入句を挟んでどこにつながるかを確認して決めること。to myself は「自分だけのために」の意。45は関係詞の空所補充問題。先行詞 the places が省略されていると考える。

VII

新傾向の語の定義によって単語を答える記述問題6問。最初と最後の1〜3文字があらかじめ指定してあるのでまだ分かりやすいが、語彙の少ない受験生は苦労するだろう。単語力を鍛えておくことが大切。また、英語による語の定義は日本語の語彙から受ける印象とは異なることが多い。日頃から英英辞典で語の定義を確認しておくことも大切である。

VIII

解答方法が選択式の整序英作文3題。いずれも標準的な問題。47〜49、53〜55は熟語の問題。47〜49は、 I の後の動詞の候補がたくさんあるので、まずつながるところからつないでおく。was relieved to find がつながったら、そのあとにつないでゆく。50〜52、Justの後に来るものが分からなかったら、直後の地の文 a problem につながるものを考える。to realize that there's a problem とつながれば、後は簡単だ。

整序英作は必ずしも左側から順につないでゆく必要はない。英作部分の前後に、特に後ろに地の分が残されている場合、そこにつながるものを見つけやすいことが多い。分かるものからつないでいって、修飾などは最後に当てはめればよい。53〜55、feel close to 〜「〜に親しみを感じる」、have in common 「共通点がある」。

2011

全体評  2010年同様、100分で大問8問の構成。総問数は52問で昨年より若干増えたが、長文の総語数は2010年よりさらに50words程減った。IIIの長文適語補充、IV、V、VIの長文総合問題とも、文章はいずれもテキストレベルかセンターレベルで2010年よりもかなり易化した。設問内容は2010年とほぼ同じで、この傾向はしばらく続くものと思われる。愛知医科の長文問題は文脈の流れに沿って語彙で決めてゆく選択式の空所補充問題が多い。読みながら文脈の流れを的確につかむ練習が必要だ。

I

文法語法問題10問。昨年同様、いずれも基礎的な問題。熟語等の慣用表現が多い。接続詞を選ぶか前置詞を選ぶかと言う問題が3年連続で出題されているが、その他は余り項目に片よりはない。問題数の多い受験レベルの標準問題集をくり返し解いて力をつけること。確実に得点しよう。

II

誤りの指摘5題。関係代名詞と関係副詞、現在分詞と過去分詞、等位接続詞が結ぶもの、get O done等、基礎的な問題ばかり。関係詞、分詞の問題は昨年も出題されている。2010年の項でも指摘したが、誤りの指摘はもともと決まったパターンが多い。それでも大学によってかなり特色の出る問題だが、愛知医科はパターン通りがほとんど。基本の問題集で練習しよう。

III

2009, 2010と同様の小問10問の3択の長文適語補充問題。2010年は語彙、内容共に難しかったが、2011年は語彙、内容共にセンターレベルになり、易化した。選択肢が文中に含まれる形式は今まで通りだが、文体もシンプルになり、読みやすくなった。選択肢の語彙も特に難しいものも紛らわしいはない。17の語法問題以外は全て語彙問題。文脈に従ってサクサク解き全問正解で突破したい。 

IV

世界共通語の難点について述べた文章。語彙は多少センターより難しいが、センターレヴェルの読みやすく、理解しやすい文章。26はat the (  ) of の( )に入れる語を選ぶ四択の空所補充。どの語を入れても意味のある熟語になる。At the end of 〜 「〜の終わり[端、最後部]に」、at the mercy of 〜「〜のなすがままに、〜の意のままに」、at the sight of 〜「〜を見て」、at the expense of 〜「〜の費用負担で、〜を犠牲にして、〜を食い物にして」。文脈から考えること。27・28・31・32の5択の空所補充も文脈から語彙で入れる標準レベルの問題。29の整序英作はやや難しい。選択肢に動詞が含まれていること、直後を見ると、 , other languages will simplydie away. とあることから、英作の部分は接続詞で始まる副詞節になる。onceに接続詞の用法があることを知っていれば簡単な問題。in place は「実施されて」。Aは全体の論旨の流れや第1段落の第4文の・・the presense of a global language will make people lazy about learning other lanugages, or reduce their opportunities to do so と直後のof timeから考えて( ) of time 「時間の無駄」となる語を入れる。

V

人を喜ばせる話し方に関するテキストレベルの文章。5択の空所補充33・34・35・37はいずれも前置詞を含む熟語や慣用表現の問題。語彙、表現共に特に難しいものは見られない。36の含まれている文章はやや分かりにくい表現。「もし私たちの魂がクラブアップル(小さくて酸っぱいリンゴ)程の大きさしかないなら、私たちは当然の報いとして(  )することになるだろう」という意味。文脈から良くない内容を持つ単語を選ぶ。酸っぱいリンゴのたとえが何を意味するかは前文を読めば分かる。Bのitは会話の部分に含まれている。itの含まれる部分は作者の言葉に対する返事なので、作者の言葉の内容から考える。Cは37の次の次の文がヒント。

VI

燃え尽きたと言う感覚は新しい良いことに向かうシグナルであるという文章。センターレベルで特に読みにくいところはない。38・39・40・44は5択の空所補充問題。38・40は熟語。38「〜がない場合」、40「大局的に」の意。後は文脈に従って選んでゆく。41〜43の整序英作はやや難しい。直後のtoo seriously の前に何を入れるかが鍵。整序英作は左端から作ってゆく必要はない。この問題のように前にも後にも地の文が続く場合、直後の地の文に続くものが比較的分かりやすい場合が多い。まず分かるところからつないで、選択の幅を狭めることが大切。nothing more than 〜「〜にすぎない」。Dは文頭の接続詞Butに注目。前段落ではburnoutに対してfearやworry等、negative(否定的な)な表現が用いられてる。Butは逆接対比の接続詞だからBut以降は肯定的な内容となる。Eはカンマの後の時制を見るとwould have continued とあり、文頭がHad で始まっていることと考え合わせると、仮定法のifの省略だと分かる。

VII

2010の第7問と同様の2つの( )に共通の語を入れる知識問題。Fのa.は「四角」b.は「平方(キロメートル)」。Gのa.は「突き出す」、b.「杖」

VIII

解答方法が選択式の整序英作。後の二つはやや難しい。48〜50は関係詞の問題。前置詞+関係代名詞+to doという文型。普通、前置詞+関係代名詞の前置詞は、本来の位置に残すことも可能だが、関係代名詞の後にSVではなく、to doが来る場合は必ず関係詞の前に置く。51〜53、tooの後に何が来るかがポイント。何度も言うが、整序英作は必ずしも左端から作る必要はない。つながるところからつないで、選択肢を減らしてゆくことが大切。この場合も is a good laugh がつながれば、too の後に来るものも考えやすくなる。

2010

全体評  試験時間は昨年同様100分のまま大問が2題増えて8問となったが、昨年の第5問・6問の1.と2.がそれぞれ独立して大問になっただけで、合計問題数は昨年より5問減少し、長文の総語数も2009年より180words程減った。

第1問・第2問は基礎的な文法問題。第3問は昨年登場した3択の長文空所補充問題。昨年はセンターレベルの文章だったが2010年は語彙も内容も難化した。長文の空所補充が苦手な受験生は多いので、文章のジャンルや設問が語彙系、文法語法系であるかを問わず、長文の空所補充問題に日頃から慣れておくことが必要である。

第4,5,6問は長文総合問題。設問形式に目新しいものはあまりないが、第5問、6問の5択の空所補充は2010年から選択肢が余る形式になって、後に残ったものを入れることができなくなり、その分難化した。前後の文章から文の流れを正確に把握する力が求められる。

第4問は文章も設問もセンターレベル。第5問は内容、語彙ともやや難しいため、空所補充も難しい。和訳も下線部は短いが、強調の助動詞が入っていたりして、受験生はやりにくいだろう。愛知医科の和訳は文の一部に下線が引かれていることが多い。下線部だけを訳そうとするのではなく、前後の文をよく読み、前後のつながりをよく掴んで訳すことがコツである。

第7問の記述式の空所補充は苦手な受験生が多いが、出題されるものは、多義語や熟語、同形で複数の品詞の働きをするものが多く、比較的限られている。同様の問題で練習して、一つ一つ覚えてゆくことが大切である。第8問の整序英作は今年は解答の方法が選択式になった。愛知医科の整序英作は、倒置や省略(関係詞、代動詞、代不定詞)が頻出なので、過去問や同様の問題で練習すること。

第1問

文法語法問題10問。いずれも基礎的な問題。受験レベルの標準問題集をくり返し解いて力をつけよう。ミスなく確実に得点すること。

第2問

苦手な受験生の多い誤りの指摘問題だが、形容詞を補語に取る動詞の補語が副詞になっていたり、現在分詞→過去分詞の問題だったりと、すべて基礎的な頻出問題。この形式の問題は前述のような決まったパターンが多いので、問題集でくり返し練習して基本パターンをマスターすると、得点が稼げるようになる。

第3問

昨年第4問だった3択の長文適語補充問題。設問数は昨年と同じだが、文脈に従って、語彙で決めてゆく問題が多かった昨年に比べて、熟語や文法の問題が増えた。医療系の文章で、脳の反応からギャンブルに溺れるメカニズムを解説しているのだが、the striatum「綿状体」、 the insula「島(大脳皮質の一部)」のような脳の部分を示す語や専門用語も含まれていて、語彙も内容もかなり難しい。選択肢も文中に挿入されているため、文の構造も把握しにくく、昨年より難化した。設問部分の熟語や文法自体は難しいものではないが、接続詞を選ぶ問題も2題出題されているので、文の構造をしっかり見極め、文脈を掴みながら正確に解答する必要がある。同じ長文の適語補充でも、選択肢が文中に入っているものは文の構造が把握しにくい。特に文自体が関係詞や挿入句などを含めた複雑な構造の場合、苦労する受験生が多い。時間配分に失敗しないためにも、同様の形式の問題をこなして慣れておくことが必要だ。

第4問

選択式の空所補充4問。文章はセンターレベルで設問も易しい。26、27は接続詞の問題。等位接続詞が結ぶもの、順接の場合と逆接の場合接続詞の前後がどのような関係になるかを考えて入れる。28は文脈から。29はむしろ文法問題。( )の後の文に注目。全問正解を目指そう。

第5問

人口の増加と人間の消費行動が環境に及ぼす影響について書かれた文章。よくある環境の話題だが、内容、語彙ともやや難しい。最初の選択式の空所補充問題は選択肢が昨年までのようにすべてがどこかに入るパターンではなく、余る選択肢があるため、昨年より難化した。30、「人口が人の数なら、(  )は行動だ」とあるので、人の行動に関わる語を選ぶ。33、後の文にharsher droughts, fiercer storms and higher sealevels とあるので catastrophe「大災害」を選ぶ。35,36いずれも文脈から語彙で選んでゆく問題。31,32の整序英作は難問。than以下が倒置になっているが、必然的な倒置ではないため、受験生は苦労するだろう。34は教科書レベルの基本的な文法問題。下線部訳はやや難しい。修飾を除けばHumanity's consumption behaviors matter.という文章の一部。doとdidは強調のための助動詞だが、このdoとdidの訳がこの問題のポイント。matterは「重要である」という意味の自動詞。

第6問

face blind 「相貌失認(人の顔を認識できない症状)」の少女の話。耳慣れない話題だが、文章は教科書レベルで読みやすい。37〜41の選択式の空所補充は愛知医科らしく、文脈と語彙から入れてゆく問題。読みやすい内容なので、文の流れをしっかりし把握して全問正解を目指そう。37,前文にshe could never spot herself in any of the photo.という記述があるので、服で見分けて、写真の中の自分の存在を推定していたと考える。 38の直前のrising は「売り出し中の、日の出の勢いの」。 39は選択肢の省略の内容を考える。前文のthis should be the time of her life「彼女の人生の絶頂期であるはず」と次文のShe was completely unable ot appreciate her beauty「自分の美しさが全く認識できなかった」から考えると、「そうではなかった」という否定の内容を選ぶ。前文の述語動詞はbe動詞である。記述B、文中の下線Bの後の文の they were bad with faces「顔(を覚えるの)が苦手」やfocusing on voices and searcing for clues in a conversation 「声に集中して会話の中に手がかりを探す」とあるので、そこから考える。記述Cは直前のtheがヒント。

第7問

2009年の第6問の1が単独で大問となった。二か所の(  )に共通の語を入れる記述式の空所補充問題。Dの(a)は「名前を挙げる」という意味の動詞。Fの(b)は「目的、目標」の意味の名詞。他は標準的な熟語、慣用表現。

第8問

解答が選択式の整序英作。43,44は関係詞の省略がポイント。45,46はやや難しい。don't go the way you want them to。the day の後にはin which が、toの後にはgoが省略されている。toは代不定詞。47,48 はtoo〜to・・・構文。

2009

全体評  文読解4問は昨年のままだが、昨年の記述式の空所補充と整序英作に加え、選択式の文法語法問題と誤りの指摘が加わり、問題構成が大幅に変わった。大問6問の構成となって、試験時間も10分増えて100分になった。試験時間が10分増えたといっても問題数は20問増加し、長文読解も昨年はすべてほぼセンターレベルであったが、2009年は特に第1問がやや難易度の高い理解しにくい内容の文章で、空所補充も難問。記述の部分和訳も入り、全体にかなり難化した。長文の総量は1700words 余りで昨年より170words程増加した。

第1問

長文総合問題。本文は語彙・内容共にやや難易度が高く、分かりづらい。問1の4択の空所補充はかなりの難問。抽象的な語ばかりでイメージがしにくい。(a)は後ろのbecome suspendedに着目。suspend「一時停止」しうるものは何かを考える。(b)のinner spaceは難問。( )の直後を見てもピンとくるものがない。この形式(すべての選択肢がどこかに入るタイプ)の語彙系の空所補充全般に言えることだが、迷ったら無理に回答せず保留にしておく。読み進めば分かるものもあるし、分からなければ最後に残ったものを入れればよい。(C)は前後にthought activity, thinking its thoughtsなど思考に関する内容になっている。センテンスの主語のItはyour mindを受けていて、それがテレビ版のcollective mind「集合意識」と link up していると考える。(d)は前文のtrancelike passive stateや後文のThey want their thoughts to become your thoughts から、1の receptive unawareness を選択する。問2・問3は基礎的な問題。問4の部分和訳もprovokingさえ分かれば問題はない。問1以外は標準レベルの問題なので、焦らず落ち着いて解くことが大切。

第2問

長文総合問題。センターレベルの文章で理解しやすい。設問は標準レベル。大問1で緊張した受験生はここで立て直そう。問1 直前のthat は文頭のI believe につながる接続詞。that節の中を作るのだが、動詞が2組あるのに、接続詞が見当たらないため、関係詞の省略と考える。問2 Africaの後には動詞のfindが省略されている。問3は基礎的な代動詞の問題。質問に対する答えなので、質問内の動詞と考える。問4 最後のまとめのパラグラフから捜す。父親から引き継いだ彼の信条は?

第3問

長文総合問題。文体はシンプルでセンターレベルだが、語彙と内容は少々難しい。問1の空所補充も昨年より難化傾向。(a)は構文の問題。It would be better if 〜と言う構文のbetterの部分にnicerが入る。左へ振れすぎるので(b)にfarを入れる。(c)(d)は容易。問2の語の定義は新傾向。やや難しいが、pendulum「振り子」が何かを下線部の直後の記述、swing back and forth「前後に揺れる」から推測して4を選ぶ。因みに1はcentrifugal force「遠心力」、2はseesaw「シーソー」、3はscale「天秤」の定義である。問3 振り子が左に振れすぎるので右に戻るようにadjustment「調整」する。問4 選択肢がよく似た熟語ばかりで紛らわしいがいずれも基本的な頻出熟語。確実に点を取ること。

第4問

新傾向の長文空所補充問題。三択の選択問題で、愛知医科らしく、文脈から語彙で入れてゆく問題が中心だが、文法、熟語の問題も含まれている。文章のレベルはセンターレベル。

第5問

新傾向の小問20題。1.基礎的な文法語法構文の問題×13問。 2.誤りの指摘×7問。不可算名詞の問題や前置詞と接続詞の問題など、よくある基礎的な内容だが、誤りのない問題もある。誤りの指摘は私立医大に頻出の問題なので、基礎的な文法をマスターしたうえで、類似問題で練習することが大切。慣れてしまえば決まったパターンが多いので得点源になる。

第6問

昨年の第5問とよく似た形式。1.二か所の(  )に共通の語を入れる空所補充(語)問題。昨年は提示されたイニシャルで始まる単語を入れたが、2010年はイニシャルのヒントはなし。(1)forwardの動詞用法。(2)(3)は平均的な熟語や慣用表現。2.記述式の整序英作。いずれも基礎的な問題。確実に得点しよう。

2008

全体評  年通り長文読解4問と空所補充+整序英作の計5問。読解問題の長文はそれぞれが350〜550wordsとさほど長くないが、4題合わせると1800words程とそれなりの量になる。ほとんどがセンターレベルで、内容は読み取りやすいが、文章によっては難しい語彙が散見される。注釈がついているものもあるが、英語表記なので、英語が苦手な学生には分かりづらいかもしれない。90分という時間設定で設問が34問。問題数はさほど多くないが、文脈の流れに沿った空所補充の問題が圧倒的に多い。日頃から語彙を増やすことと、長文を読み慣れて文の流れを掴む練習をしておくことが大切。

第1問

子供の頃の思い出の話で、難易度としてはセンターよりも簡単なレベルだが、エッセイなので、受験用の単語集では余り見ない語彙が見られる。すべて空所補充で、文脈に従って意味から当てはめてゆく問題。問1は選択式、問2は文中からの抜き出しだが、いずれも単語レベルは低く,非常に取り組みやすい。問3の空所補充は前文が否定文であること、(  )の前にnotがあることから eitherを入れる。問4も3語と語数が指定してあるため絞りやすい。前後のI wasn't a baby.やbig kidsをヒントにして考える。

第2問

センターレベルの文章で読みやすいが、最後の段落が少々分かりにくい。unstructured time,unstructured playがつかめるかどうかが分かれ目。問1は選択式の空所補充。(a) はin a year.(1年で)。(b)この段落のテーマは?(c)はindustry, planning, schedulingと並立するものを選ぶ。(d)のreflex「反射(行動)」は少々難しい。(a)(b)(c)を確実に入れ、残ったものを入れたほうが早い。問2の整序英作も並レベル。比較の倍数表現 x times as 〜 as を使う。問3の同意表現は難しい。この場合のcountは「重要である、価値がある」という意味の自動詞。下線部が表すことを下線(3)のwaste time との対比 から考えよう。問4の下線部(3)waste timeは「無駄な時間、時間の浪費」。その反対は?

第3問

センターレベルの文章で地球温暖化という見慣れたトピックなので読みやすい。問1の空所補充は文章を入れる問題だが、(  )の後をしっかり読めば迷うことはない。例えば(a)。直後のin a most impressive mannerに続く―の内容を見るとplanting crops, domesticating animals, and building citiesとあり、すべて人間の営みである。従って2のwe have been able to organise ourselves を選択する。問2の整序英作も標準レベルのtough構文。主語が不定詞の意味上の目的語となる。問3の空所補充は(   )の次の行にある、onに着目して考える。問4の代動詞は下線部のある部分が仮定法であることに注目。直前の動詞表現をそのまま受けたもの。いずれの問題も標準レベル。文補充を嫌う受験生は多いが、落ち着いて取り組み、ミスなく点を取ること。

第4問

問1はお馴染みの語の空所補充。文脈に従って意味から当てはめてゆく問題。例えば(a)。上の3つの段落で、他人の話を集中して聞かないことが話題にされており、直前にnoise-related「騒音の」があるため、4のdistractionを選ぶ。問2は熟語の問題。think to oneself「密かに思う」。問3、Like theとあるので、それまでに出てきたもので、the voiceやthe yelling personのように人をイライラさせて邪魔になるものを捜す。問4は単語→熟語の言い換え問題。suddenly=all of sudden

第5問

1. は頭文字が示された記述式の語の空所補充。内容は簡単な慣用表現、熟語、文法問題。落ち着いて取り組んで得点源に。2.は記述式の整序英作。基礎的だが、(3)はやや難しい。sayの目的語が文頭に出ている。

傾向と対策

2010年以降、試験時間100分で大問8問という構成が定着している。Iの空所補充は熟語や語法、語彙問題中心で基礎的な内容である。 IIの正誤問題もSVCのCが副詞、現在分詞と過去分詞、等位接続詞が結ぶもの、不可算名詞と可算名詞など、頻出パターンが中心で、語彙レベルも基礎的。いずれも受験レベルの標準的な文法語法の問題数の多い問題集を繰り返しやって、徹底的にマスタ―すること。どんな問題にも必ず解答の決め手になるヒントが存在する。それを確実に見切って確信を持って解答を選択する力をつけよう。語彙を増やさなければならないのは言うまでもない。

愛知医科は基礎的な問題ばかりだが、様々な文法項目がまんべんなく出るので、苦手な項目を作らないこと。また、簡単なだけにミスをしないことが大切 I・II は確実に得点して全問正解を目指そう。 III のような長文の空所補充問題が苦手な受験生は多い。I のような単問形式ならできるのに、長文になると点が取れないという声をよく聞く。 I の形式では、ヒントは問題文か、選択肢の中に確実に存在するが、長文の場合は文の長さや、複雑さが増すことが多いし、捜す範囲が広がるため、ヒントが見つけにくいようだ。長文の空所補充の場合、文脈によって遠くまで遡る可能性のある語彙系と異なり、文法語法系の空所補充は基本的には単問式と同じだ。I ・II で述べたヒントの見切りをマスターすれば、確実に解答できるはずだ。

あとは語彙系、文法・語法系のいずれにせよ、同じ形式の問題をたくさん解いて練習することが大切。 IV〜VI長文総合問題について。IIIも含めて、愛知医科の長文のテーマは多岐にわたっている。語彙を増やし、新聞やネットのニュースもチェックして様々なトピックにアンテナを張り、分からないことはネット等で調べておくこと。また、医療系などのジャンルにこだわらず、幅広いテーマの英文に目を通すことが必要。

長文総合問題は関東の私大によく見られる内容一致問題は余り見られず、語・句・文を入れる空所補充問題、整序英作文、記述の部分和訳、同意表現、語の内容説明などがよく出される。特に文脈に沿って語彙で判断して入れてゆく空所補充問題が圧倒的に多いため、文意の流れを正確に掴み、前後関係をしっかり把握しながら読む力が必要。医学部の過去問にこだわらず、難関私大レベルの語彙系の空所補充問題をたくさんこなして、正確に解答する力をつける必要がある。

長文自体はセンターレベルのものが多く、構造が複雑だったり、非常に抽象的な内容のものは少ないが、文章の構造は平易でも、やや難度の高い単語が散見されたり、そのような箇所に設問が設定されている場合もあり、平均して1題は難易度のやや高い問題が含まれている。時間に対する問題数は特に多いわけではないが、1題に時間をかけすぎると危険である。それを見越して余裕のある時間配分ができるよう、日頃から時間を計って解く練習をし、センターレベルの問題では素早く確実に得点する力をつけておくこと。

VIIは2012年は設問形式が変わって語の定義になったが、それ以前にも2つの( )に共通の語を入れる問題等、語彙の問題が出題されている。単語のレベルは標準レベルだが、出題されるものは多義語や熟語、同形で複数の品詞の働きをするものが多く、数は限られている。本学の過去問、明治大などの類似問題で練習して一つ一つ覚えることが大切。語の定義は英英辞典でどう定義されているかを確認してみるなど、地道な作業で知識を増やしてゆくことが大切である。

VIII 愛知医科の整序英作は全文ではなく、一部分が問題として取り上げられている。その上倒置、省略、熟語の一部が地の文とつながっていたりと、一ひねりしてある問題が多い。個々の問題の項で既に述べたことだが、整序英作は左側から順につないでゆく必要はない。初見でイメージが沸かなければ、確実につながる語同士をつないで選択肢を減らしてゆき、最後に全体を組み立てる。副詞等の修飾は無理矢理つなげず、最後に相応しいところに入れれば良い。地の文が後ろにあるものは最後にそこにつなげて最終チェックするためだけにあるのではない。選択肢を減らすためのヒントとして存在しているものが多い。そこにつながるものがないか最初にチェックすること。私大医学部には頻出の問題形式にもかかわらず、整序英作が苦手な受験生は多いが、ひたすら文頭からつなげてゆくやり方では上達は望めない。先ほどの点を踏まえて、問題集や似たような整序英作の出る入試問題で練習すること。コツが掴めれば素早く正確に解答できるようになるはずだ。

 

全国私立大学医学部 各大学別入学試験情報