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第30回 電気分解【直列回路の電気分解と並列回路の電気分解】

次に、並列つなぎの電気分解について説明します。並列つなぎでは、回路が途中でいくつかに分かれます。電池から出た電子は、このいくつかの電解槽に分配されますから、電子の通過量はそれぞれの電解槽で異なります。

たとえば、下図のような回路で電気分解を行ったとき、電解槽Ⅰに流れる電子の物質量と、電解槽Ⅱに流れる電子の物質量は異なります。この回路では、電池から出た電子は、点Aで2手にわかれて電解槽Ⅰと電解槽Ⅱに流れます。

このとき、外部電源を通過した電子の物質量n(mol)、電解槽Ⅰを通過する電子の物質量n1(mol)、電解槽Ⅱを通過する電子の物質量n2(mol)とすると、n = n1 + n2 の関係が成立します。

この電気分解で電池が 1A の電流を9650秒間流したところ、電解槽Ⅰの陽極板から気体が標準状態で448 mℓ発生したとします。このとき、電解槽Ⅱの陽極板に生じる気体の標準状態における体積を求めてみましょう。

各電解槽で起こる反応は最初の問題と同じで、次のようになります。


まず、電池を通過した電子の物質量を求めます。1Aで9650秒間流したわけですから

次に、電解槽Ⅰを通過した電子の物質量をn1molとおきます。陽極板から448mℓの気体が発生していますので、この値を用いて、電解槽Ⅰの陽極の化学反応式から比の式を作ります。

次に、電解槽Ⅱを通過した電子の物質量をn2molとすると、n=n1+n2 の関係が成立していますから、n2=0.10-0.080 = 0.020molとなりますね。電解槽Ⅱの陽極で発生した気体の体積を y ℓ として比の式を作ります。

 

これで電気分解についての講義はおしまいです。次回からは熱化学方程式の解き方を説明します。それが終わったら、いよいよ旧課程の化学Ⅱの範囲に突入します。

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平野 晃康

平野 晃康

株式会社CMP代表取締役
私立大学医学部に入ろう.COM管理人
大学受験アナリスト・予備校講師

昭和53年生まれ、予備校講師歴13年、大学院生の頃から予備校講師として化学・数学を主体に教鞭を取る。名古屋セミナーグループ医進サクセス室長を経て、株式会社CMPを設立、医学部受験情報を配信するメディアサイト私立大学医学部に入ろう.COMを立ち上げる傍ら、朝日新聞社・大学通信・ルックデータ出版などのコラム寄稿・取材などを行う。

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