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医学部受験の化学学習法 第3回
偏差値50まで(理論化学)

<1>必要な教材

もし、学校の授業で用いたプリントや板書ノートが、それを読めば一通りのことがわかるほどに整理されているのであれば、それがいちばんよいでしょう。ない場合は、以下のどれかを用意する必要があります。

※『講義集』:岡野、橋爪、亀田、鎌田…といった名立たる講師が書いた本。「はじめからよくわかる」という意味合いのタイトルがついています。(この段階で、問題の解法の説明を主としたものはNG。必要なのは基本事項の説明です。)

※教科書:読んで理解しやすいかどうかは単元によるようです。

※『ゼミノート』タイプのもの:順に読んでいけば、教科書などと同じ役割を果たします。( )内の用語を覚えるだけの学習は決してしないこと。上記のものを単元によって使い分けてもいいでしょう。それに加えて、図説、傍用問題集。

<2>計算以外の内容

①学習方法

  • 文章を読解する能力が非常に高い生徒は、自学自習でもいいでしょう。加えて、質問や学習方法などの相談をする先生がいれば、安心です。まず、テキストを読み納得する→傍用問題集で重要な事柄や問題の出し方などを見る。これでいいでしょう。疑問があれば辞書代わりに『チャート』などを使いましょう。
  • 標準的な生徒の場合は、まず集団授業を受ける→内容の復習(=図をイメージしながら自分で説明してみる)→傍用問題集を解く→適当なタイミングでさらに復習。個別指導を受ける場合は、質問、相談以外に、学習の進め方や理解の仕方が正しいかどうかのチェックをしてもらいましょう。前回も書きましたが、この段階でよい学習姿勢を築けるかどうかでその後の伸びが決まります。
  • 学校や予備校の集団授業では理解できない生徒は、個別指導で噛み砕いて説明してもらうしかありません。化学の勉強をしながら学習能力も上げる必要があります。

どの場合も、「問題を解く」ではなく、「基本事項を覚える」ことを目指しましょう。基本法則、原理が頭に入れば、問題は自然に解けます。問題集は補助的にのみ使うこと。

②到達すべきレベル

すべての単元を一度学習し終えることで、化学の学習全体の流れを把握し、どれくらいの量を習得すればよいかを体感しておきましょう。この段階で、細部を暗記する必要はありません。各単元で学習する内容について、大まかにストーリーを理解することが大事です。

理論的な深さも、この段階ではあまり追及する必要はありません。例えば、「原子の構造はこうなっている」と言われたら、図をそのまま覚えて大丈夫です。ここで、「そんなことがなぜわかったのか?」「どうして陽子どうしはくっついていられるのか?」と追及する必要はありません。(追及するのはすばらしいことですが、追及する姿勢が絶対に必要なわけではありません。)

<3>計算問題

①学習方法

<2>に比べて、問題を解く勉強の比重が高くなります。各量の意味、基本法則などを理解したら、簡単な問題に当たりましょう。前回書いた『計算関連の能力』によって、解くべき問題の量が異なります。自信がない生徒は、多めに解いて、解法を覚えてしまうこと。

②到達すべきレベル

傍用問題集の基本問題を一通り解けるようにしましょう。その際に、「物質量=モル濃度×体積」などの基本計算については、いちいち考えなくてもすぐに出てくるようにしましょう。基本計算以外の問題に関しては、この段階で解き方が即座に出てくる状態を目指す必要はありません。しっかり考えて解ければ大丈夫です。「面心立方格子中の原子数=4個」などを、途中経過を省いて結果そのものを暗記する必要もまだありません。「弱酸のpH」などの公式も、この段階では結果を覚えるのではなく、導出過程を再現できるようにしましょう。

医学部受験の化学学習法 記事一覧

  1. はじめに
  2. 偏差値50まで
  3. 偏差値50まで(理論化学)
  4. 偏差値50まで(無機化学・有機化学)
  5. さらに上位レベルへ
吉野 由宏

吉野 由宏

京都大学理学部卒、専攻は化学。名門会、St.Mepres、などで非常勤講師。指導科目は、数学・化学

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