岡野の化学が初歩からしっかり身につく【理論化学①】
- 出版社
- 技術評論社
- 種類
- 参考書、講義調
- 著者
- 岡野雅司
- 難易度
- 教科書例題~入試基本レベル(センター試験レベル:偏差値50後半)
286ページ・34問
書評
教科書事項からセンター試験レベルまでを丁寧に説明した本、化学の教科書を読んで良く分からなった人や、化学の授業についていけない超初心者に向けて書かれている。
講義調の参考書だが、いわゆる「予備校の先生のくせ」のある書き方ではなく、非常に丁寧な口調で書かれているため、書き方による好き嫌いは生じないと思われる。
超初心者に向けて化学の考え方を丁寧に説明しているため、出てくる問題や知識は医学部入試をするには少なく、教科書事項の重要部分のみだが、偏差値60程度であればこの本で十分到達するだろう。問題は教科書・センターレベルで34問のみ。この本だけでは医学部の一般入試をクリアするレベルには到達しない。
到達点は中堅私立大学医学部で50%程度だと思われる。
この本はあくまでも超初心者が化学の考え方や基礎知識がどういうものか、いわば化学の「骨格」の部分をざっと知るためのものなので医学部受験生ならこの本を軸にして勉強しようとは考えない事だ。本格的な受験勉強をするための土台を作るための本だと考えよう。独学で化学を学びなおす人のエントリー、授業の先取り用、化学の授業に取り残された人が、手っ取り早く全体像を復習して授業に追いつく、などの用途に用いると良いだろう。
平行して教科書を読んで知識の幅を広げ、「らくらくマスター」や「化学レベル別問題集①、②」などを使って問題数を増やすべき。その次の段階では「照井式解法カード」のような、もっと細かくて高度な内容の書かれている本を手にすると良い。ただし、少しギャップがあるため、この本だけではなく、問題集や教科書を読んでから次のステップに進むこと。
類書に、「亀田和久の理論化学/有機化学が面白いほどわかる本」・「橋爪の是理から劇的!にわかる理論化学の授業」がある。
目次
- ①原子の構造・周期表
- ②元素の性質・化学結合
- ③結晶の種類・分子の極性
- ④化学量・化学反応式
- ⑤溶液(1)固体の溶解度
- ⑥酸と塩基
- ⑦酸化還元
- ⑧電池・電気分解
- ⑨熱化学
- ⑩気体
- ⑪蒸気圧・気体の溶解度
- ⑫溶液(2)・コロイド