チェコ国立カレル大学は1348年に神聖ローマ皇帝カール4世によってチェコのプラハ(現在、チェコ共和国の首都)に創立された大学です。チェコ共和国の最高学府であり、中央ヨーロッパにおいて最も歴史のある大学(ドイツ語圏最古の大学)で、教育機関としてもQS大学ランキングで世界18,000校以上の上位2%にランクインするなど、世界的にも高度な教育を提供しています。カレル大学では17の学部と4つの教育施設からなり約5万人の学生が神学、法学、医学、理学などを学んでいます。

医学部は留学生が1年目に通う予備コースと6年制の本コースに分かれており、多くの学生は予備コースで数学、物理学、化学、生化学、生物学、英語を学んでから本コースへ進学します。

本コースは1年目~2年目で基礎医学の基盤を固め、3年目で外科学、内科学、薬理学、病理学を履修し、4年目・5年目は病院で学ぶ臨床科目を学びます。試験のほとんどの科目が筆記試験に加えて口頭試問を採用しており、知識だけではなくコミュニケーションの能力の向上に努めています。そして、6年目は一年間、チェコ国内または海外の病院で研修を行います。

また、卒業試験に合格するとチェコの医師免許を取得できますが、これはEU圏内で有効で、隣国のドイツやオーストリアでも医師として働くことができます。また、アメリカのUSMLE(United States Medical Licensing Examination)の受験資格、日本の医師国家試験の受験資格も取得できます。

プラハの夜景

チェコ国立カレル大学医学部 チェコ国立カレル大学医学部

チェコ国立カレル大学 第一医学部

プラハ プラハ

プラハはチェコ共和国の首都で、人口約118万人の都市です。1000年以上の歴史を持ち、第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも大きな被害を受けず、資本主義の高度成長による都市整備もなかったことから、ロマネスク建築から近代建築までの各時代の建築様式が並んでおり、さながらヨーロッパの建築博物館といった趣きで、中心地はユネスコの世界遺産にも登録されています。また、観光地としても人気で、ヨーロッパでも最も人気のある場所の1つであり、いつも何かしらのパーティやイベントが催されています。

カレル大学第一医学部は、このプラハの2区に所在し、附属病院を中心に、それを挟むようにキャンパススクエアとアルバートフキャンパスが所在しています。歴史ある首都の中心部の緑豊かなキャンパスに約3,400人の医学部生と約800人の医学部英語プログラム学生(留学生)が学んでおり、200年以上の伝統と歴史を持つ附属総合病院は、開院以来約6万人、外来患者136万人に医療を提供してきました。また、医師の多くは英語を話すことができ、世界での活躍を目指す医学生にとって非常に優れた臨床教育の場となっています。

医学部の新入学生は学生寮(基本的に2人部屋)が用意されています。寮はプラハ周辺に複数あり、希望により選ぶことができます。留学生は世界各国から集まってくるため、英語力も自然と身につき、また、自分と異なるバックグラウンドを持つ学生と一緒に過ごした経験は視野を広げ、その後の人生の大きな糧となるでしょう。また、医学部留学生会MEDSOCはサッカー部やバスケットボール部などの運動部、ハロウィンパーティなどのイベント活動などを行っており、学生の交流の場となっています。

チェコ国立カレル大学 フラデツ・クローラヴェー校

フラデツ・クローラヴェーは、チェコの東ボヘミア地方に位置する人口10万人の町で、小さいながら3つの大学機関を擁し、文化芸術活動の盛んな街です。また、楽器製造業も盛んで、PETROF社のピアノは世界的に有名です。

チェコ国立カレル大学 フラデツ・クローラヴェー校はこの街に1945年に創設されました。冷戦の影響で一時的に大学機関ではなくなっていましたが、1958年には大学機関として再び機能し始め、現在は医学部学生約900人、医学部英語プログラム学生(留学生)数約400人が医学を学んでいます。

チェコ国立カレル大学の医学部予備コース

チェコ国立カレル大学の予備コースは、プラハとフラデツ・クラーロヴェーの中間に位置するポプラディという街にあるスタディセンターで実施されます。
期間は毎年9月下旬~5月下旬で、生物、化学、物理、英語、チェコ語を学びます。この予備コースを卒業し、本コースの試験に合格するとカレル大学の医学部生として医学を学ぶことができます