チェコ国立マサリク大学医学部について
チェコ国立マサリク大学医学部
チェコ共和国の国立大学であるマサリク大学は、1919年1月28日、チェコ第二の都市、ブルノに設立されました。
マサリクという名称は、チェコスロバキアの初代大統領T.Gマサリクにちなんで名づけられたもので、設立後100年のうちに徐々に規模が大きくなり、現在では9学部(医学、法学、理学、美術、教育、経済、情報処理、社会科学、スポーツ科学)の約1200の専攻を4万5千人以上が学んでいます。
マサリク大学は約100年の歴史の中で17万人以上の卒業生を輩出しており、卒業生は、それぞれの専攻を活かして、EUを中心とした世界各国で活躍しています。
マサリク大学医学部は、在籍生のうち約15%が国外からの留学生で国際性が強い大学で、医学部でも約4500名の学生のうち約900名がチェコ国外からの留学生です。出身国はドイツ・ポルトガルなどのヨーロッパが最も多く、次いでイスラエル、サウジアラビア、インド、日本と続きます。日本以外の国の出身者は国費留学生も多く、優秀な人材が集まっています。また、アメリカからの留学生も増えているなど年々、世界的な人気が高まっています。
このため、学生は若いうちに自分と異なる文化的背景を持つ同年代の学生と接することができ、柔軟で視野の広い考え方を学ぶことができます。 また、医学部留学生向けのプログラムはすべて英語で行われるため、母語が英語でない日本の学生にとっては、生きた英語を学ぶ大きなチャンスとなります。
マサリク大学医学部のカリキュラムは、座学中心の日本の医学教育と異なり、現場と直結した実践的なカリキュラムを実施しています。このカリキュラムの中では、コミュニケーションが重視され、授業においても試験においても多くの口頭試問が課されます。そのため、質問の意図を正確にとらえ、状況に即した表現で回答する力を養うことができます。


マサリク大学医学部での課外活動(サークル等)
課外活動は、マサリク国際医学生協会(MIMSA)という、医学部英語プログラムの学生が組織している団体によって運営されます。
クラブ活動はMIMSAによって提供されており、バスケットボール部やサッカー部などがありますが、入部するためには入部試験があり、この試験はかなりの難関であるため、部活に所属する学生は多くありません。
MIMSAではクラブ活動だけではなく、スポーツやパーティーを通しての交流会などの催しや、先輩による講義や様々なアクティビティーを企画しており、活動に参加することで他の医学生との交友を広げることが出来ます。

マサリク大学医学部予備コース(半年制)
マサリク大学医学部本コースで医学を本格的に学ぶ前に、英語やチェコ語などの語学(英語はコース開始前に6週間の英語研修を実施)に加え、生物、化学、物理などの基礎知識を確立するためのコースです。10月~3月のうち20週(週25時間授業)を用い、医学部本コースの授業に対応できる実力を身に付けます。
授業は日本の大学と同じ講義(Lecture)とグループ内で課題に取り組むセミナー(Seminar)の2段階で構成されており、知識を増やすことと知識を使えるようにすることを両立する実践的なカリキュラムになっています。
科目 | 授業時間 | 内訳 |
---|---|---|
英語研修 | 6週間 | 予備コース入学前に実施 |
生物 | 100時間 | Lectures2時間/週 Seminars 3時間/週 |
化学 | 140時間 | Lectures 4時間/週 Seminars 3時間/週 |
物理 | 140時間 | Lectures 4時間/週 Seminars 3時間/週 |
チェコ語 | 120時間 | 6時間/週 |
マサリク大学医学部本コース(6年制)
マサリク大学医学部本コースは6年制で、一般教養の授業は無く、入学直後から基礎医学の授業が始まります。日本に比べて病院研修の期間が長く、3年生から臨床実習が始まり、4年生~6年生では臨床医学を集中的に学びます。6年生では国内外の病院での研修を行いますが、この際、日本の病院での研修を選択することもできます。
授業は個人で受ける座学のLecture、15名程度のグループで課題に対してディスカッションをするSeminar、日本での実習に当たるPracticeの3つに分かれています。この中で重視されているのはSeminarとPracticeで、Lectureはそのための知識や考え方を得るためのものと位置付けられています。このような教育体制の中で能動的・自律的な力を養うことができます。
学年 | 目標 | 指導内容 |
---|---|---|
1年次 | 臨床医学と有機的に結びつく基本的知識を学習 | 解剖学、生物物理学、生物学、基礎医学用語等 |
2年次 | 基礎医学の知識基盤を固め、夏期には病院研修を開始 | 【履修科目】 臨床医学基礎、生理学、組織学、看護学等 【選択科目】 情報リテラシー、生化学基礎、生物学基礎等 【夏期研修】 看護研修(2週間) |
3年次 | 病理学や免疫学など、専門分野を学び、内科と外科は病院研修もスタート | 【履修科目】 外科学基礎、免疫学、内科学基礎等 【選択科目】 情報リテラシー、臨床前実習、臨床研修等 【夏期研修】 プライマリーケア研修(1週間) |
4年次 | 基礎医学と臨床医学を結び付けた実践的なカリキュラム | 【履修科目】 外科学、神経内科学基礎、感染症学等 【選択科目】 情報リテラシー、臨床前実習、臨床研修 【夏期研修】 内科研修(2週間)、外科研修(2週間) |
5年次 | 専門的な臨床医学と実習で、医師としての将来像を構築しながら学ぶ | 【履修科目】 小児科学、産婦人科学、外科学等 【選択科目】 情報リテラシー、臨床研修、臨床前実習等 【下記研修】 産婦人科研修(2週間) |
6年次 | 実践型の病院研修を1年間実施、卒業に備えた総仕上げ | 【病院研修】 小児科(2週間)、内科(7週間) 家庭医学(4週間)、公衆衛生学 産婦人科学 |
【情報提供】
この記事はチェコ医科大学事務局の提供する情報に基づいて作成しました。
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