ここからはいよいよ光合成反応の中身を紐解いていきます。光合成は大きく分けるとチラコイドで起こる反応とストロマで起こる反応に分かれます。順序としては①チラコイド、②ストロマという順です。光合成が起こるには太陽の光、水、二酸化炭素の3つが必要です。このうち、チラコイドで起こる反応は水と太陽の光を必要としますが、二酸化炭素は必要としません。一方、ストロマで起こる反応は二酸化炭素を必要としますが、水と太陽の光は必要としません。ここを押さえることがまず重要です。以下の表に簡単にまとめておきます。

 太陽の光二酸化炭素
チラコイド×
ストロマ××

さて、先ほどチラコイドで反応が起こった後、ストロマで反応が起こると説明しました。この順序で反応が起こる理由はそれぞれの反応の目的を考えることで明らかとなります。チラコイドの反応の目的は、ストロマでの反応を起こす燃料を作ることです。そしてストロマでの反応の目的は、その燃料を使って、植物が生きていくために必要なグルコースを作ることです。つまり、チラコイドで燃料を作り、その燃料でストロマの反応を起こすという物質の流れがあるのです。ストロマでの反応が起こるためには2種類の特殊な燃料が必要であり、これについては次の章で説明します。以上が光合成の全体像です。簡単なまとめを下に乗せておきます。

チラコイドの反応:燃料を作る
ストロマの反応: 燃料を使ってグルコースを作る