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医学部受験の数学学習法 第1回
スタートレベルを知り、学習計画を立てよう!

はじめに

 私は、私立中学・高校で数学を教えています。以前、医歯薬系の予備校でも講師を務めたことがあり、その頃から作成していたサイト「数学参考書レビュー」もご縁となって、今回こちらでお話させていただくことになりました。よろしくお願いします。

いきなりですが…合格できるのは、こんな受験生

 さて、私は、医学部受験に向けた数学の学習において、最も大切なことは、「自己分析をしっかり行い、スタートレベルを知ること」だと思っています。その際、模試の偏差値もひとつの基準にはなりますが、私はあまりあてにしていません。それより、皆さんはどの分野が得意で、逆にどの分野は苦手か、自分で知っていますか?(知ろうとしていますか?)また、得意だと言うなら、これまでに受けた定期考査や模試で、比較的難しい問題も「解ききる」ことが出来ていましたか。

 医学部の数学では、目標点が他の学部に比べて非常に高くなります。ほとんどの問題については、最後まで正解することが必要で、後回しにした問題も、何とかして部分点がとれるようにする。そこで大事なのは、とにかく「あきらめない」姿勢です。

 前述のサイトでは、受験生からの学習相談にも応じていますが、ある時期になると「センター試験で失敗しました。1年頑張りたいのですが、どうすればいいですか?」といった質問を必ず受けます。そういった人たちにまず何より言いたいのは、それは失敗でなく「必然」だということです。自己分析を怠り、必要な学習をそのときそのときにしてこなかった積み重ねが今の結果であると、率直に認めましょう。逆に、意欲の高い人は、高2の1~2月ぐらいから本格的に受験を意識していたり、学習計画も、質問の時点でほぼ出来上がっていたりします。私の役目は、「よく考えていますね。そのとおりですね」と褒め、背中を押すことだけです(笑)。多少マズイ計画であっても、節目節目で見直すこともできますし、何より自分が決意したことを「継続」できた人たちが、良い結果を得られているようです。

年間計画…いや、3ヶ月計画を立てよう

 さて、具体的に何をするかですが、最初に言っておくと、私は「年間計画」という言葉が嫌いです。少なくとも数学に関しては、努力が成果に結びつくまでに時間を要するという教科の特性も考慮しつつ、3ヶ月(より短期的には3週間、3日など)の計画を作り、進み具合を見ながら次の3ヶ月の計画で適宜軌道修正を図るのがよいと、私は思っています。一応、入試から逆算すると

  • 入試までの最後の3ヶ月…過去問(センター試験を含む)、および同レベルの問題集で演習
  • 夏休みからの3ヶ月…過去問演習の前段階となる参考書・問題集に取り組み、余力で難問に挑戦
  • 夏休みまでの3ヶ月…入試基礎レベルの網羅・定着と苦手分野の復習、計算力の強化など

というイメージになるかと思います。さらに、入試自体が多様化し、日程も長期化している昨今では、

  • 入試を意識した最初の3ヶ月…既習分野・教科書レベルの復習、定期考査の見直しなどの自己分析

をいかに過ごすかということも、重要になってきているのではないでしょうか。

意外とバカにできない検定教科書&中学内容

 あと、悪いことは言いませんから一度早い時期に教科書(文科省検定教科書)をザッと読み通してみましょう。読むだけなら3日程度あればいいですし、もし「こんなの習ったっけ?」という箇所が見つかっても、本文中に解説まで載っている問題(「例」「例題」など)をとりあえず拾い読みしていって、忘れていた事項を含む問題だけ自力で解き直していけば、ひととおりの内容が頭に入るはずです。この部分をかなり丁寧にやったとしても、大体は3週間程度あればひととおりメドがつきます。

 さらに、大学によっては、入試で教科書に載っている「定義」そのものを書かせたり、公式を使わせるのでなく「公式が成り立つ理由」の部分を説明させたりする問題が出されることもあります。赤本を調べれば、自分の目指す大学で過去にそういう問題が出たかどうかはすぐ分かりますから、もしそれらしき問題を見つけたら、なおのこと教科書を読むことに時間をかけるようにして下さい。

 そう考えると、中学で学ぶ内容、特に図形分野についても、もし不安であれば(逆に、そこまで出来る時間的&精神的余裕があるのならば)早めに見直しておいた方があとあと安心できます。自分が中学時代に使っていた本は、捨てずにとってありますか?もし手元にないという人は、検定教科書を入手することは難しいので、高校入試の直前に3年間の内容を復習するのに使う参考書、たとえば
 ○「高校入試 合格BON!」数学(学研)
あたりを書店で立ち読みしてみて、もし気になったら、とりあえず買って手元に置いておくとよいでしょう。基本事項の理解・確認に時間をかけられる人が、結局は受験でも成功すると思います。

まとめ:私が述べたこと

  1. スタートレベルを知る/年間計画を立てる
  2. 入試基礎レベルを網羅する/ライバルの存在を意識する
  3. 知識を整理して、基礎から実践(実戦)へ/苦手分野の速習法
  4. 入試標準レベルに挑戦する/インプットとアウトプット
  5. 数学を得点源にする/得点が望める答案作成法
水野 健太郎

水野 健太郎

'73年9月14日生まれ。 大阪星光学院中学校・高等学校 出身 大阪大学基礎工学研究科 修士了 予備校講師等を経て現職。'98年から「数学参考書レビュー」サイトを運営。 現在は、講師の傍ら入試問題過去問集の解答執筆、各種模試等の作問も手がける。

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