どの受験方式を選ぶか迷ったら
幅広い選択肢から受験校を選ぼう
私立大学医学部の入学試験は、9月下旬の獨協医科大学AO入学試験から始まり、約半年にわたって続きます。
私立大学医学部の入学試験には、AO入学試験・推薦入学試験・センター利用入学試験・一般入学試験・編入学試験の5つの方式があります。このうち、一般入学試験が全体入学者の80%を占めており、主流となる試験ですが、センター利用入学試験・AO入学試験・推薦入学試験の入学者も全体の20%を占めており、この割合は年々増加しています。
推薦、センター利用入学試験の20%の枠を無視して、一般入学試験のみを考えていては、チャンスを無駄にしてしまいます。推薦入学試験には年齢や評定平均値の制限がありますし、AO入学試験やセンター利用入学試験を受験すると一般入学試験以外の勉強をしなくてはならないなど、受験にはハードルがありますが、私立医科大学合格を勝ち取るための方法の一つとして選択肢に入れた方が良いと思います。
区分 | 募集人数 | 割合(%) |
---|---|---|
AO入学試験・推薦入学試験 | 420 | 13.1% |
センター利用入学試験 | 223 | 7.0% |
一般入学試験 | 2553 | 79.9% |
以下に、各方式を受験するべきかどうかを判定するためのフローチャートを付けておきました。参考にしてください。
AO・推薦入学試験を受験するか
大学名 | 区分 | 評定 | 年齢 | 試験日 |
---|---|---|---|---|
岩手医科 | 一般公募 | 4.0以上 | 1浪まで | 11/8 |
地域枠 | 4.3以上 | 1浪まで | 11/8 | |
獨協医科 | 公募推薦 (地域枠) |
4.0以上 | 1浪まで | 11/8 |
指定校 | 非公表 | 非公表 | 11/8 | |
埼玉医科 | 一般公募 | 4.0以上(全体) かつ 4.0以上(数・理・外国語それぞれ) |
1浪まで | 11/16 |
指定校 | 3.8以上(全体) かつ 3.8以上(数・理・外国語それぞれ) |
現役 | 11/16 | |
東京医科 | 一般公募 | 4.0以上 | 現役 | 12/6 |
茨城県地域枠 | 4.0以上 | 1浪まで | 12/6 | |
山梨県地域枠 | 4.0以上 | 1浪まで | 12/6 | |
東京女子医科 | 一般公募 | 4.1以上 | 1浪まで | 11/19・20 |
指定校 | NO DATA | NO DATA | NO DATA | |
日本 | 付属推薦 | 非公表 | 非公表 | 非公表 |
北里 | 指定校 | 非公表 | 非公表 | 11/16 |
聖マリアンナ医科 | 指定校 | 4.0以上(全体) かつ 4.0以上(数・理・外国語それぞれ) |
現役 | 11/22 |
金沢医科 | 一般公募 | 3.8以上 | 1浪まで かつ 18歳以下 |
11/15 |
指定校・地域指定 | 4.0以上 | 1浪まで | 11/15 | |
AO入試 | 4.0以上 | 1浪まで | 書類選考 (二次)10/19 |
|
愛知医科 | 一般公募 | 3.7以上(全体) かつ 3.7以上(数・理・外国語それぞれ) |
現役 | 11/15 |
藤田保健衛生 | 一般公募 | なし | 現役・1浪 または 4年制以上の大学を卒業または卒業見込みの者で平成27年4月1日現在、満35歳以下の者 |
11/9 |
関西医科 | 一般公募 | 4.0以上 | 現役 | 書類選考 (二次)11/23 |
近畿 | 一般公募 | なし | 1浪まで | 11/22 |
兵庫医科 | 一般公募 | 現役:4.0以上 1浪:4.2以上 |
1浪まで | 11/9 |
地域指定制 | 1浪まで | 11/9 | ||
川崎医科 | 中国四国地域枠 | なし | 4浪まで | 11/15 |
川崎医科 | 岡山地域枠 | なし | 4浪まで | 11/15 |
久留米 | 一般公募 | 3.8以上 | 1浪まで | 11/15 |
久留米 | 地域指定制 | 3.8以上 | 1浪まで | 11/15 |
産業医科 | 一般公募 | 4.3以上 | 1浪まで | 12/3 |
福岡 | 地域枠推薦 | 3.7以上 | 3浪まで 大学卒業生は平成22年高校卒業生まで |
11/23 |
一般公募 | 3.7以上 | 1浪まで | 11/23 |
入学時に26歳以下の人であれば、金沢医科大学のAO入学試験または獨協医科大学のAO入学試験(栃木県地域枠)を受験することができます。ただし、獨協医科大学の栃木県地域枠は栃木県からの奨学金を受給する必要があり、卒業後9年間、栃木県内の医療機関で勤務することが義務づけられています。
現役生・一浪生で評定平均値が3.7以上ある場合、推薦入学試験が受験することができます。例外としては藤田保健衛生大学と近畿大学の推薦入学試験は評定平均値の制限がなく受験できます。また、川崎医科大学は出身地が四国中国地方の人で地域の医療関係者からの推薦を受けた人だけを対象としていますが、年齢制限が4浪までと、他の大学に比べてずっとゆるやかになっています。
AO・推薦入学試験は基本的に専願のため、合格した場合は入学しなくてはなりません。しかし、近畿大学の推薦入学試験のみは併願可能で、合格した場合も入学を辞退することができます。そのため、近畿大学と他の1校に併願することは可能です。
このような制限があるため推薦入学試験は倍率が低く、現役生や1浪生にとって合格しやすい受験方式といえます。
センター利用入学試験を受験するか
センター利用入学試験は、大きく三つのグループに分けることができます。受験科目が数学・理科2科目・英語で受験できる大学(グループ1)、数学・理科2科目・英語・現代文で受験できる大学(グループ2)、数学・理科2科目・英語・国語・社会で受験できる大学(グループ3)です。
- グループ1:埼玉医科大学・獨協医科大学・杏林大学・東海大学(地域枠)・近畿大学
- グループ2:愛知医科大学・藤田保健衛生大学・兵庫医科大学・福岡大学
- グループ3:東京医科大学・順天堂大学・昭和大学・大阪医科大学
このほかに、帝京大学がセンター利用入学試験を行っていますが、帝京大学では得点の高い3科目で合否を判定します。
センター利用入学試験のボーダーラインは80~90%で、年度によって変動します。最低得点率が80%程度の大学もありますが、実際にこの得点率で合格するのは難しく、確実に合格できるのは90%程度、最低でも85%はないと合格の見込みはありません。
ですから、センター利用入学試験に出願するかどうかは第2回・第3回マーク模試で80%以上が取れるか、そして、その後に行われるセンタープレ模試で85%が取れるかどうかで判断するのが適当です。浪人生に対してセンタープレ模試はかなりの精度があります。現役生ならばセンタープレで85%を切っていても、ここから延びる可能性がありますが、浪人生はあまり伸びないことが多いので、センタープレで悪ければ、あきらめる方が良いと思います。
二次試験は、小論文と面接により行われます。近畿大学では二次試験を行わず、杏林大学は全員が二次試験を受験することになっていますが、そのほかの大学では、センター試験で一定以上の得点を挙げ、一次合格した者のみが受験することができます。
一般入学試験の受験校について
一般入学試験の受験校を決定するときは、偏差値だけではなく、日程と場所も大切になります。
私立大学医学部一般入学試験の日程は非常に過密で、最初の10日の間に半分以上の大学の入学試験が実施されます。そのため、一日に複数の大学の試験が実施され、また、連続して複数の大学を受験することになります。そのため、どのような組み合わせで受験し、どのように休息を取るのかという選択が非常に重要です。
試験会場については、一次試験と二次試験で違いがあります。一般入学試験の一次試験の試験会場は大学本学だけではなく全国各地に設けられており、地方会場で受験することもできますが、二次試験の試験会場は岩手医科大学などを除いて本学(岩手医科のみ本学と東京で受験可能)で行われます。
二次試験は一次試験を突破しなくては受験できませんから、最初の段階で考えすぎるのは良くありませんが、一次試験の受験校の組み合わせを受験会場の場所から考えて選択する、あるいは、受験する学校が地元の大学であっても、前後の受験校の受験会場が東京であれば、地元の大学も東京で受験する。というようなことを考える必要はあります。
特に、岡山でしか受験できない川崎医科大学、栃木でしか受験できない獨協医科大学を受験するときは要注意です。
受験はそれそのものが相当の体力と精神力を必要とします。移動距離は必要最小限に抑えて、体力を失わないように気を付けましょう。
しかし、一次試験と二次試験の実施期間は重複しており、ある大学の一次試験に合格した結果、他の大学の一次試験を受験する合間に合格した大学の本学まで移動して二次試験を受験するという場合もあり得ます。
例えば、金沢医科大学(金沢)の一次試験に合格した結果、聖マリアンナ医科大学(東京)の一次試験を受験した次の日に金沢に移動して金沢大学の二次試験を受験し、次の日に栃木に移動して獨協大学(栃木)の一次試験を受験する。というような場合も考えられます。
これは避けられない事ですのでどうしようもありませんが、受験前に二次試験の日程と受験会場も確認し、事前にシュミュレーションをしておくと、あわてなくて済みます。
推薦入学試験 試験日・合格発表日一覧(2015年度入学試験)
区分 | 出願 | 一次試験日程 | 一次試験合否発表日 | 二次試験日程 | 二次試験合否発表日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
岩手医科大学 | 推薦入試 | 平成26年 10月20日~ 平成26年 10月30日 (消印有効) |
平成26年 11月8日 |
平成26年 11月14日 17時 |
なし | なし |
地域枠特別 推薦入試 |
平成26年 10月20日~ 平成26年 10月30日 (消印有効) |
平成26年 11月8日 |
平成26年 11月14日 17時 |
なし | なし | |
埼玉医科大学 | 推薦入学試験 (公募・指定校) |
平成26年 11月1日~ 11月11日 (郵送必着) |
平成26年 11月16日 |
平成26年 11月19日 13時 |
なし | なし |
獨協医科大学 | 公募推薦 (地域枠) |
平成26年 11月1日~ 平成26年 11月6日 (締切必着) |
平成26年 11月8日 |
平成26年 11月13日 10時 |
平成26年11月15日 | 平成26年 11月26日 10時 |
推薦(指定校) | 平成26年 11月1日~ 平成26年 11月6日 (締切必着) |
平成26年 11月8日 |
平成26年 11月26日 |
なし | なし | |
東京医科大学 | 一般公募 推薦入学試験 |
平成26年 11月10日~ 平成26年 11月21日 (郵送必着) |
平成26年 12月6日 |
平成26年 12月10日 16時 |
なし | なし |
茨城県地域枠 推薦入学試験 |
平成26年 11月10日~ 平成26年 11月21日 (郵送必着) |
平成26年 12月6日 |
平成26年 12月10日 16時 |
なし | なし | |
山梨県地域枠 特別推薦入学試験 |
平成26年 11月10日~ 平成26年 11月21日 (郵送必着) | 平成26年 12月6日 |
平成26年 12月10日 16時 |
なし | なし | |
聖マリアンナ医科大学 | 推薦入学試験 | 平成26年 10月30日~ 平成26年 11月7日 (必着・窓口可) |
平成26年 11月22日 |
平成26年 11月27日 10時 |
なし | なし |
北里大学 | 指定校推薦 | 平成26年 11月1日~ 平成26年 11月10日 |
平成26年 11月16日 |
平成26年 11月19日 15時 |
なし | なし |
日本大学 | 付属推薦入試 | 未発表 | 未発表 | 未発表 | 未発表 | 未発表 |
東京女子医科大学 | 推薦入学試験 | 平成26年 11月4日~ 平成26年 11月11日 (郵送必着) |
平成26年 11月19日・20日 |
平成26年 11月25日 14時 |
なし | なし |
指定校推薦 入学試験 |
非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | |
愛知医科大学 | 公募制推薦 入学試験 |
平成26年 10月31日~ 平成26年 11月7日 (消印有効) |
平成26年 11月15日 |
平成26年 11月20日 |
なし | なし |
藤田保健衛生大学 | 推薦入学試験 | 【高等学校長から推薦されるもの】 平成26年10月29日~平成26年11月5日 (必着) 【大学課程履修者で自己推薦する者】 平成26年10月17日~平成26年10月24日 (必着) |
平成26年 11月9日 |
平成25年 11月14日 |
なし | なし |
金沢医科大学 | 公募制推薦 入学試験 |
平成26年 11月1日~ 平成26年 11月8日 (消印有効) |
平成26年 11月15日 |
平成27年 11月20日 17時 |
なし | なし |
指定校・地域指定推薦入学試験 石川県の全日制高校で、普通科 または理数科を有する学校 |
平成26年 11月1日~ 平成26年 11月8日 (消印有効) |
平成26年 11月15日 |
平成27年 11月20日 17時 |
なし | なし | |
特別推薦 入学試験 (AO入学試験) |
平成26年 9月1日~ 平成26年 9月8日 (消印有効) |
書類選考 | 平成26年 9月25日 17時 |
平成26年 10月19日 |
平成26年 10月23日 |
|
近畿大学 | 公募推薦 | 平成26年 11月1日~ 平成26年 11月13日 (消印有効) |
平成26年 11月22日 |
平成26年 12月3日 |
平成26年 12月7日 |
平成26年 12月17日 |
兵庫医科大学 | 公募制 推薦入試 |
平成26年 10月22日~ 平成26年 11月4日 (消印有効) |
平成26年 11月9日 |
平成26年 11月15日 10時 |
なし | なし |
地域指定制 推薦入試 |
平成26年 10月22日~ 平成26年 11月4日 (消印有効) |
平成26年 11月9日 |
平成26年 11月15日 10時 |
なし | なし | |
関西医科大学 | 推薦入学試験 | 平成26年 11月1日~ 平成26年 11月14日 |
書類選考 | 平成26年 11月20日 |
平成26年 11月23日 |
平成26年 11月28日 |
川崎医科大学 | 特別推薦入試 | 平成26年 11月1日~ 平成26年 11月10日 (郵送必着) |
平成26年 11月15日 |
平成26年 11月22日 9時 |
平成26年 11月29日 |
平成26年 12月5日 9時 |
福岡大学 | 一般推薦入試 | 平成26年 10月31日~ 平成26年 11月8日 (必着) |
平成26年 11月23日 |
平成26年 12月2日 |
なし | なし |
地域枠 推薦入試 |
平成26年 10月31日~ 平成26年 11月8日 (必着) |
平成26年 11月23日 |
平成26年 12月2日 |
なし | なし | |
久留米大学 | 一般推薦入学試験 | 平成26年 10月27日~ 平成26年 11月5日 (必着) |
平成26年 11月15日 |
平成26年 11月28日 |
なし | なし |
地域枠 推薦入試 |
平成26年 10月27日~ 平成26年 11月5日 (必着) |
平成26年 11月15日 |
平成26年 11月28日 |
なし | なし | |
産業医科大学 | 推薦入試 | 平成26年 11月1日~ 平成26年 11月7日 (郵送消印有効) |
平成26年 12月3日 |
平成26年 12月12日 |
なし | なし |